皆さま新シーズン明けましておめでとうございます。お市でございます。
例によって、今シーズンの選手たちについての私見をせっせと述べていこうと思います。
と思いましたが、今回練習試合も見れず、土壇場でスカッドの練り直しが発生してメンバーも定まらずでインプットが絶望的に足りてません。しかももう開幕はすぐそこ。なので簡易版甚だしくなりましたが、どうぞ!
目次
監督
ケヴィン・マスカット(マスキー、ケヴィン)
Embed from Getty Images現職・2年目
〜アンジェとは違うのだよ、アンジェとは〜
昨季末セルティックへファラウェイしてしまったアンジェ・ポステコグルーの後任としてやってきた、スキンヘッドの監督。菩薩みの深いアルカイックスマイルと前任者とは大違いの均整のとれた体型が特徴で、ホペイロの緒方さんを筆頭にカッコイイと評判。
肝心の采配は、「アンジェよりも安全志向だが、アンジェと同じくらい理想主義的」といった印象を受けた。
前線のスピードと破壊力を全面に押し出して畳み掛けるアンジェ式は、2019シーズンなどノってる時は本当に手がつけられない。けれどその分リスクを多く孕んでいたり、ドン引き+カウンターをなかなか克服できなかったりと2020シーズンは課題も散見された。
そんな前任者が「自分たちのサッカーをするだけだ」の一言でぶった切ってきたリスクの部分はどうやらお嫌いなんだろうな、と思う。昨季のホーム札幌戦の後のコメントや、アウェイ神戸戦の後の勝ちに徹した戦い方などを見ると、「なるべく失点のリスクは減らしながら相手ゴールを割りたい」という思いが見て取れる。
また前政権で頻発した、「引いた相手は崩せないが俺たちは自分たちのサッカーを信じている」と爽やかな表情をするものの勝ち点は積めない状態を脱却せねばならんということも、母国メディアで明言している。こちらもリスク軽減とともに優先度の高い課題として捉えてそうだ。
こうした課題への解決策として、「ゆっくり皆で攻め上がって崩す」というこれまでのスピード路線の逆の実装も試みているように窺える。柱谷解説員に散々「マンチェスター・シティのよう」と言われながら苦笑いを続けてきた我々だが、ついに彼らのような手数をかけた攻撃にも着手する時が来たといえよう。
度重なるチーム得点王の巣立ち、チームの屋台骨を支えて来た扇原、ティーラトン、天野、チアゴとの別れは決してノーインパクトとは言えない。もしケヴィンが2021以前のアタッキング・フットボールを志向するなら、単純な戦力のマイナスでしかないだろう。
だが、災いは転じて福となしてナンボである。なべこの台頭、ジョエル、永戸、エドゥアルドといった今までのマリノスとは少しキャラクターの異なる新加入の面々。彼らを活かしまた違ったサッカーを上積みできるかどうか。ついに真価を問われるケヴィンの2年目が始まる。
GK
1 高丘陽平(ようへ、YT1)
Embed from Getty Images181cm 25歳 在籍3年目
予想ポジション:正守護神
〜流行れハッシュタグYT1〜
正守護神にして喜田と双璧を成すチーム屈指のいじられキャラ。たぶん立ち位置的にはアメトークにおける狩野英孝。ただ最近は同年代が少しずつ増えてきて嬉しそう。
トークがややスベり気味でも、ピッチに立てば国内屈指の実力者。2021シーズンエリア外からの失点0という記録は伊達ではないし、何よりその足技はJリーグのGKとしては抜きん出ている。
足裏を使いながらプレスをかけてきた相手の逆をとってかわす姿は、さながら中盤の選手のよう。どこから相手が来て、どうすればかわせるかと予測ができている。プレスが来ないなら距離を問わず正確にピタリと味方へ届けるフィードが火を噴く。隙を生じぬ2段の構え。最後尾から攻撃のスタートを司る彼の存在こそ、マリノスのビルドアップを改善した立役者の1人と言っていいだろう。
また予測は相手をかわすことだけでなく、GKのメインタスクであるシュートストップにも活かされている。よく見るとようへは誰がいつどこでシュートを打つかをよく読み切って跳んでいる。そのため急なシュートシーンでも余裕を持ってプレジャンプ(跳ぶ前にその場でする小さなジャンプ)も踏んでいることが多い。際どいピンチも最後は彼の手にシュートが向かっていくように見えるシーンが多いのはそのためだろう。
ただハイボール処理の不備や読み違いによる失点は改善されつつあるが依然として課題。克服すれば代表の座も夢ではないポテンシャルだと思うので、今季はチーム個人ともどもさらなる飛躍の年にしてほしい。
自身のインスタでよく使っているハッシュタグ、 #YT1 を流行らせたいらしい。あとYT1の1は「イチ」じゃなくて「ワン」らしい。ちなみにタグ検索すると韓国の更年期対策のサプリか何かの宣伝が真っ先に表示されたので定着に向けて頑張ってほしい。
32 田川知樹(いなりん)
180cm 19歳 在籍2年目
予想ポジション:第4GK
〜怪我から蘇る興國産GKの最高傑作〜
高丘同様足元の技術に長ける将来の守護神候補。鬼滅コラボではマリノス担当として出演。善逸っぽさないけど、寝てる時の方が優秀なんだろうか。昨季マリノスでの出場機会はエリートリーグのみで、ユース生や大学生と混じってプレーしただけなので、リーグ戦での出場の道は険しそう。
重ねて昨季末に左第5中足骨骨折の重傷で3ヶ月離脱を余儀なくされ、せっかく呼ばれていた世代別代表の招集も見送りに。GKというポジションは1チームで1人だけなので、正守護神が怪我するかチームが上手くいかず監督が大ナタを振るうでもしない限り出場機会は得難いとはいえ、なかなかツイていない1年目だった。
とはいえ相手のプレスをモノともせずにパスを通すスキルは、中林やオビに勝るものがある。まずは怪我を乗り越えて、松永成立GKコーチと榎本哲也アシスタントコーチの薫陶を受けながらベンチ入りを目指してほしい。
「大阪出身というだけでノリがいいと思われるのは困る」と筆者の友人の大阪人は言っていたが、いなりんはガチでノリが良い。毎年恒例のグローバルスタイル様のスーツモデル総選挙ではオビちゃんの選挙活動に乗っかって支援するなどSNS使いも上手。なんならもう「推し」呼ばわりしている。
34 中林洋次(ウッズ)
Embed from Getty Images181cm 35歳 在籍4年目
予想ポジション:第3GK
〜安心と信頼の最年長〜
中学時代マリノスの育成組織で過ごしていたため隠れホームグロウン枠の大ベテラン。マンチェスター・シティにおけるスコット・カーソン、リバプールにおけるアドリアン。もはや語り草となっている2019年最終節が示すように、どんな非常時でも頼れるMr.プロフェッショナル。足元の技術やペナルティエリア外の守備は高丘や田川に、身体能力はオビに劣るかもしれないが、J2サポに「神林」と称されたセービング能力は俄然チームトップクラスといえよう。
LINE LIVEのGK練習を見ていてもわかるが、本当に動きに無駄がなく、一回跳んで倒れてもすぐ立ち上がれる。高丘と同様かそれ以上にシュートのタイミングに合わせるのがうまいので、シゲさんの弾丸ミドルを打たれても零すことなくキャッチできていたのが印象的だった。
実はマリノスでの出場は伝説の2019最終節のみ。ウッズさんほどの確かな今シーズンも残留したのは貴重なホームグロウン枠だからというのもあるだろうが、松永・榎本両コーチを見ながら今後のコーチとしての生活につなげたいのだろうか…なんて邪推もしてしまう。とはいえいつ何時でも準備を怠らず「いつも通り」ゴールを守りきってくれるウッズさんがいるのはとても頼もしい。また若いGK陣やカップ戦などで組むことになるだろう若手DF陣のよき見本として今年もよろしくお願いします。
着用しているRG Goalkeeper Globesの人が昨年激レアさんに出演したため、マリノスの現役スカッドでは数少ない地上波帯番組バラエティに映像出演を果たす。放送されたのは2019年の最終節なので、一発レッドを食らってウッズさんの出番を作ったパギことパク・イルギュ(現・鳥栖)の退場シーンもコスられた。なんというもらい事故。
50 オビ・パウエル・オビンナ(オビちゃん) WELCOME BACK!!
Embed from Getty Images193cm 24歳 レンタルバック
予想ポジション:第2GK
〜人を笑顔にする最長身守護神〜
2度目となった栃木での武者修行を経て今季再びマリノスに帰還した長身GK。今の所マリノスでのベストシーンは2020ACLで、上海上港の王様にして元ブラジル代表のオスカルのPKを止めてチームの勝利をたぐり寄せたシーンか。
高丘のような足技は持ち合わせていないためポジション争いは後塵を拝しているが、出れば長い手足を利した迫力のあるセービングとレーザービームのようなロングフィードでマリサポを沸かしてくれる。GKに求められるのは派手さより正確性なんだろうけれど、見ていて元気がもらえる選手だからかファンも多い。
明るいキャラクターとスベりを恐れない勇敢さもありチーム内ではすっかりムードメイカーとして機能。SNSによるセルフブランディングも見事なので、オフザピッチでもチームとサポに笑顔をもたらしてくれる。そりゃいなりんも推すわけだ。ていうか #オビ活 ってなんだよ。繰り返しやると腸内フローラが改善されたりするんか。
とはいえ本人は2ndGKの座に甘んずる気もないだろうし、代表や海外挑戦といった夢も捨ててないはず。24歳という数字は一見若そうに見えるが、年下の谷(湘南)や大迫(広島)はすでにレギュラーとして活躍してフル代表も経験している。高丘や田川のテクニックや中林の基礎技術といった自身の不足部分を盗み、まずはチーム内での序列を覆したい。
DF
2 永戸勝也(カツ、かっちゃん) NEW!!
Embed from Getty Images173cm 27歳 新加入
予想ポジション:LSB一番手
~新・悪魔の左足~
2年越しのオファーに応える格好でやってきた、リーグ屈指の左足精度を誇るLSBレギュラー候補。大半はコーナーキックからだけど、2019年Jリーグアシスト王。実はかっちゃんもブレイブアンドチャレンジングなアタッキングフットボールにトゥギャザーしたかったらしい。それさあ、早く言ってよぉぉ(松重豊ボイス)
海外サッカー観る人向けのイメージはリバプールのロバートソン。基本的にはタッチライン際を上下動するタイプで、アンジェによる魔改造前の山中亮輔を想起させる。ただし鹿島で「Zico Spirit(物理)」を体得したため、初期山ちゃんほど守備対応で胃痛をもたらすことはないはず。
しかし、その足技と相手の逆を取るアビリティでもって1人でプレス回避を実現していたティーラトンほどのテクニックは無さそう。また直近の練習で別メニュー組だったりしたので、開幕してしばらくはプレスのねらい目になるかもしれない。そこをかわせれば、入団時のコメントにもあった「攻撃的で魅力的なサッカーをする横浜F・マリノスをさらにレベルアップ」を成し遂げうるだろう。
ヘアケアなどの美意識高め男子。海夏と西村とはナベ将時代の仙台で一緒にプレーしていたため旧知の仲。サウナ好きらしいので、状況が落ち着いたら高丘や栗原勇蔵クラブシップキャプテンといったサウナーたちとサウナ会を立ち上げてほしい。横浜にはスカイスパとかイアスとかいろいろあるから、長く横浜からCFGの世界的プロジェクトに参画し続けてくれてもいいのよ…?
4 畠中槙之輔(シン、しんちゃん)
Embed from Getty Images184cm 26歳 在籍5年目
予想ポジション:RCB一番手
~今、独り立ちのとき~
昨季末は怪我に泣いた、技巧派日本人CBのパイオニア。「2021の失速は畠中の負傷が大きい」という声も少なくなかったように、今のままでも十分その存在は大きい。たまにマリサポの中でも「あれ?シンって左利きじゃなかったっけ?」と言われるくらい利き足と逆の左からも出てくる縦パス、前に出て相手を潰す能力を考えれば、トータルで見ればJでも指折りのDFと言っていいはずだ。
だが、彼にとって今季は例年以上にその真価を問われるシーズンとなる。リーグ優勝の歓喜も分かち合い、病める時(主にどっちかの怪我)も健やかなる時も酸いも甘いも共にしてきた相棒チアゴ・マルチンスが移籍したからだ。しんちゃんが勢いよく前に出て相手FWを潰しにいけたのは、カバーリングの鬼たるチーちゃんのおかげが大きい。「縦パス?うるせえ俺が運んだ方が早い」なチーちゃんの代わりにしんちゃんがビルドアップの起点となっていたように持ちつ持たれつの関係だったとはいえ、しんちゃんこそ最もチアゴロスが危惧される選手の1人といえる。
その辺は当人も重々承知の上らしく、戦友(これで”とも”って読むとジャンプ漫画みが出る)との別れに寂しさを見せつつも、チアゴが助けてくれたように今度が自分が皆を助ける番と決意を口にした。
自身の代表返り咲き、そして海外挑戦への夢のためにも、そしてマリノスのシャーレ奪還のためにも、更にもう一皮剥ける必要がある。「チアゴの相棒」から独り立ちしてマリノスのDFリーダーとなれるか。しんちゃんにとってキャリア最大の一年が始まる。
2021年1月に自身のLINE LIVEチャンネル開設を宣言。SPEAK OUTによると漫画好きらしいので、「世間的にはこれ人気あるらしいっすけど、自分的には駄作っすね」とかズバズバ辛口レビューかましたりとかしてほしい。
5 エドゥアルド(エドゥ)NEW!!
Embed from Getty Images184cm 28歳 新加入
予想ポジション:LCB一番手
~早速で悪いが君には今季のキーマンになってもらう~
フルネームはカルロス・エドゥアルド・ベンディニ・ジュスティ。チアゴの移籍を受けて鳥栖から強だts…もとい獲得した歴戦のブラジリアンCB。チアゴ売却費があったとはいえ、また元々リストアップしていたとはいえ、既に2021シーズン分の契約更新を済ませた他チームのDFリーダーを引っこ抜くあたり、今季も我が軍のメルカート893ぶりは健在と言える。今年で来日9年目を迎えるので、軽い日本語の受け答えならできそう。
チアゴと全く同じ仕事ができるかというと、あんなに速くはないからキツイとは思う。だが、希少な左利きCBであり、(片方は負傷離脱したとはいえ)畠中チアゴを超えるパス本数を昨季記録するなど、チアゴよりはパスで貢献できそうな選手である。
ハイラインは依然継続だろう。ただ、より手数とパス本数を多くしながら少しずつ相手を自陣に押し込んだり、逆に味方陣地深くでボールを回しながら相手を引きつけて崩れたら前線へフィード…など、スピードが問われる走り合いのシーンを減らしていくことはできる。言い換えればチアゴが抜けてもやりようはあるのだ。
そのためにもDF陣の主格としてのリーダーシップとパスに秀でるエドゥは重要なキーマン。マリノスに合流して1ヶ月足らずではあるが、今季のマリノスがどんなチームか、そして上手くいくのかを大きく左右する選手といっていい。
SNS更新頻度は低めだが、1歳のご子息の写真と映像はバンバンインスタに載せている子煩悩。あと日本滞在が長い割に六本木を存じ上げないらしいので、関東再上陸を果たした今季はオフ日に行ってみてほしい。いいか、オフ日だぞ!間違ってもメンバー外の時の試合日にインスタ更新したりするなよ!「Enjoy life in GINZA」とか書くなよ!絶対だからな!
19 實藤友紀(實ッティ)
Embed from Getty Images179cm 33歳 在籍3年目
予想ポジション:RCB2番手
~イケオジは死せず~
名前は初見だと読みにくいが、「さねとうゆうき」。フィールドプレイヤー最年長にして、皆を慈愛に満ちた微笑みで包むイケオジ。しかもノリもいい。目黒区あたりのハンドドリップにめっちゃこだわりのある隠れ家的コーヒースタンドにいそう(早口)。公式様におかれましては一度でいいから實ッティにカフェエプロンを着せてほしい。
アウェイ名古屋戦でシュヴィルツォクにちょっかいを出しまくってハードかつ執拗な守備を見せてイラつかせたように、ベテランの妙技が感じられる対人守備といまだ衰えぬスピードを活かしたカバーリングが持ち味。またボールを持てば風間大僧正の下トメルケール教に入信した過去を感じさせる小憎いテクニックが光る…とか言いたいところだが、グイグイ単騎で持ち上がったりセットプレーでスコーピオンキックかましてゴールしたりとド派手。
怪我がちなのが玉に瑕なのだが、昨季は畠中不在時に万全の状態でスタンバッてくれていたので、チームとしてはだいぶ助かった。純粋に前に出て相手を潰す仕事などは畠中やエドゥアルドほどではないのでスタメンとはいかないかもしれないが、試合数の多い今季は確実に彼の力が必要になる日が来る。
今年も時にいぶし銀、時に胃薬を必要とする度肝を抜くプレーで我々マリサポをシビれさせてほしい。
趣味は釣りだが、魚はあんまり食べないとのこと。
24 岩田智輝(岩ちゃん)
Embed from Getty Images178cm 24歳 在籍2年目
予想ポジション:ボランチ1番手
~その逸材、天然か天才か~
オカンがな、岩田智輝のキャラを思い出せへんらしいんよ。
ほな俺がね、ちょっと一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたか教えてみてよ。
オカンが言うにはな、アンジェと古巣の片野坂監督との違いを聞かれてこう答えたらしいねん。
ほう、天然やないかい。
でもインタビューで自身のプレーぶりを語らせるとスラスラ言語化できんねん。
ほな天然とちゃうかあ。
もうちょっと詳しく教えてもらえる?
「挑」を「もも」って読んだらしい。
天然やないかい。
漢字の誤読とあやしめのインタビュー受け答えは天然のそれなのよ!もう天然で決まり!
わからへんねん。
何がわからんのよ。
オカンが言うにはマリノス移籍前はCB3枚の一角かSBでボランチは高校生ぶりなのに立ち位置もプレーも的確だったらしいねん。
ほな天然と違うかあ。
天然と天才の狭間を行き来する岩ちゃん。「2021のマリノスはボランチが点を取れなかったのが課題」とふりかえり、今季はゴールも狙っていく所存。CB、RSBもハイレベルでこなせるけれど、ボランチのレギュラー格として今年もフル回転頼んます。
でもオカンが言うにはテルの23ポーズを真似して「24で日清!」って言ってるらしいねん。
ほな天然やないかい。
25 小池龍太(りゅーた、小池右)
Embed from Getty Images170cm 26歳 在籍3年目
予想ポジション:RSB一番手
~諸々活躍の範囲がめっちゃ広い方がりゅーた~
JFLから海外挑戦、さらには昨季J1優秀選手賞まで駆け上がった羽柴秀吉系立身出世サイドバック。2021シーズン筆者選定MVP。縦だけでなく横にも走り回り、挙句逆サイドまで顔を出す攻守に欠かせないキーマン。昨季はボールを持てるエウベルと縦関係を組み、エウベルの守備負担を軽減する代わりに自身が攻め上がる時間を作ってもらうなど、活かし活かされるコンビネーションでマリノスを支えた。
もういいかげん代表に選ばれてもおかしくないはずなのだが、なぜだかサムライブルーとは縁遠い。「NSK(なぜそこに金井)」と言わしめた金井貢史ライクなボール保持(攻撃)時のポジショニングが目を引きがちだが、マリノス対策あるあるの対角線フィードを蹴飛ばされても楽々処理するなど、守備時の対応も抜群。なのになぜか代表は選ばれない。ここまで来るともはや前世で森保監督の恨みでも買ったかと思いたくもなる(きっとそんなことはないけど)。
リーグ戦で着実なパフォーマンスを見せつけている間に、アシストランクトップという華々しい功績をひっさげて山根視来が代表に定着しつつあり、絶対的レギュラー兼株式会社ASSIST取締役の酒井も国内でよりアピールをし始めた現在、りゅーたには昨季以上の仕事ぶりが求められる。具体的にはいいポジショニングを更に効果的にするキック、トラップなどは改善の余地あり。
改善意欲が強く、根がすごく真面目なのはマメに実施するLINE LIVEでもよくわかるので、現状に満足はしていないはず。満を持して国内屈指のSBの座とサムライブルーのシャツを射止めにいくべく、今年も怪我なくフル回転していただきたい。
活躍の幅が広いのはピッチ内だけでなく、水沼宏太に負けず劣らずの法人営業力を持ち合わせる。サッカー以外のことにも関心のアンテナを張っており、遠征時はビジネス書を読む一面も。会社でもしっかり働きつつ、家族も大事にしながら、社外活動も積極的に行うマルチタスクっぷりが現代のデキる男って感じする。
26 小池裕太(ゆーた、小池左)
Embed from Getty Images170cm 25歳 新加入
予想ポジション:LSB二番手
~胸板がめっちゃ厚い方がゆーた~
流経大から直接シントトロイデンへ行った特殊な経歴を持つ香車型LSB。流経大卒のマリノスのLSBと聞くと「横浜の太陽」こと比嘉さんa.k.a.ガーヒーを思い出すが、単位は取れていた模様。
だが渡欧直後の怪我が祟ってか、ベルギーでの出場試合数は0。述懐して曰く「サッカー選手として終わっちゃうんじゃないか」と思うほどに苦しい日々だったとのこと。
2019年に鹿島で日本に復帰してからもなかなか試合に絡めず。翌年C大阪で2年過ごすも出場試合数わずか23。特に大阪の水は合わなかったようで、「合わない選手は干からびるまで干す」ことに定評があるロティーナとクルピに総スカンを食らってしまったのかほぼ試合に出ている姿を見なかったとの声もちらほら。もはや幻のポケモンに近い存在なんだろうか。
とはいえ浪漫枠は浪漫を感じさせてこそである。鹿島ではゴラッソを叩き込んだり、
駆け上がって左足クロスもぶち上げて観る者に「あれ?この人しこたまアシスト積んでくれるのでは?」と期待を持たせてくれる。
ほらそこ、なら高野遼でよくね?とか言わない。
課題は守備とポジショニングと自己評価しており若干背筋が凍るが、どちらもマリノスでは恒常的に求められるので試合の中で伸びていくかも。守備とポジショニングで売ってる逆サイドのアナザー小池もいい参考になるはず。海外再チャレンジを考えると25歳は決して若くはないので、ぜひ横浜で浪漫枠を脱し有り余るポテンシャルを開花させられるか。
趣味は釣りらしいので實ッティと釣り部を形成してほしい。
27 松原健(健さん、ケニー)
Embed from Getty Images180cm 29歳 在籍6年目
予想ポジション:RSB二番手
~愛さずにはいられない司令塔型SB~
なんだかんだで在籍6年を迎え、自身のキャリアの半分弱を横浜で過ごしたことになるRSB。マリノスのCFGとの協業プロジェクトの黎明期メンバーであり、扇原も去った今となっては2018シーズンのポステコグルー1年目の悲惨さを体験した数少ない生き残りともいえる。「昔はボールが自陣から運べなくてのう、タカくんが前プレでギャンギャン食われておったんじゃ」と若き選手たちへの語り部になってほしい。
昨季序盤こそ日本代表に復帰するなど絶好調だったが、徐々に小池龍太にポジションを追われると控えになってしまった。いざとなればCBもできる器用な選手ではあるのでベンチにいてくれると助かるのだが、代名詞でもある球足の長い鋭いパスは現有戦力でも屈指のスキル。控えにしておくには惜しい存在。詳しくは過去に個人分析記事を書いたのでそちらをご参照ください。
ただ健さんの最大の魅力は小顔でもスタイルの良さでもキック精度でもファンキーなポジショニングでもなく、どんなに逆境に立たされてもシーズンのどこかで「あれは健さんに助けられた」と思える時期を作れる精神のレジリエンスだと筆者は思う。代表入りを果たしたように能力に疑いはないので、一日一善のペースで発生するやらかし(とそれに伴ういらないファウル)を減らして今季はスタメン奪還を狙いたい。
大分県宇佐市出身で岩ちゃんとは同郷で幼馴染。それまでズッ友のテルといじり役(主に喜田や高丘)に励んだりしていたが、ワールドクラスのド天然の岩ちゃんの前では「宇佐弁のツッコミお兄ちゃん」になる。マリサポの最大与党とも言われる「健さん会」が構成されるように、チームでも屈指の人気選手で個人LINE LIVE「ケニーのちょっと話すけん」もやっているので、彼の愛されっぷりは「#ケニけん」でTwitter検索してほしい。
29 池田航(コウ)WELCOME BACK!!
177 cm 20歳 レンタルバック
予想ポジション:LSB三番手
~帰ってきた元祖マリノス式SB~
マリノスユース出身の高卒3年目LSB。最高の化学変化を見せたことで語り草になっている2018年Jユースカップ優勝メンバー。トップチーム昇格後も順調に成長曲線を描くかと(少なくとも筆者は)思っていたらトップ昇格後の出場時間は0分。
その後2年で相模原と讃岐の2チームを渡り歩いたものの、出場時間はわずかに72分。プロのスピード感に慣れるためのレンタルだったはずが試合に出られなかったのは大誤算ではないだろうか。
とはいえ本人の復帰時のコメントを読むと、成長を実感しているようだ。
> 横浜F・マリノスを離れて1年半は、とても濃く、難しいシーズンを過ごしました。再びF・マリノスでチャレンジ出来ることを嬉しく思います。1年目より成長した自分を見せられるように頑張ります!
筆者の憶測だが、出場機会よりまったく環境の異なる場所に身を置いたことそれ自体が大きかったのではなかろうか。
トップチームでもユースでも、マリノスでは大抵ボールを握り、周りも自分のプレーを知っている選手が多い抜群のサポート体制にいたと思う。だが航が過ごした2クラブはどちらも、なんとか1勝をもがきながら掴もうとする規模のクラブだったし、自分を知る選手がほぼいない環境だった。真っ新な環境で仕事をこなした経験は、まさしく「とても濃く、難しい」ものだったはずだ。
2年間出場時間が少なく次のレンタル先が見当たらず一旦帰還、が実情なのかもしれないが、LSBのライバルはどちらも新加入選手。しかも監督も1年目とは違う。ボール保持の際の立ち位置は2018からユースで経験している。デビュー前に培った経験をもとに横一線からのスタートとなったLSBレギュラーの座を大外からまくって射止めるか。マリノス公式では「ユースのドゥトラ」とも呼ばれた若武者、逆襲の1年が始まる。
ジョエルからは藤井四冠に似てると言われているが、曰く「似てるって言われる有名人が多い」とのこと。
33 角田涼太朗(りょうたろさん、つっつん)
Embed from Getty Images183cm 22歳 在籍2年目
予想ポジション:LCB二番手
~あざとくて何が悪い~
柔和そうなたれ目と抜群のスタイルが眩しい大卒CB。去年夏ごろ、筑波大蹴球部を途中で退部しプロ契約をするウルトラCで加入(大学中退じゃないからね!)。180オーバー、左利き、小顔と天は何物与えたんだってくらい要素の多いポテンシャルの煮こごり。
かねてからの噂にたがわず「俺の持ち味はコレじゃ!」と言わんばかりに左足で縦パスを狙ってくる、畠中みあふれるCB。ただしスピードと相手からボールをむしり取るためのガタイ(というか身体の当て方?)は不足している印象。長所も短所もヴェルディからやってきたばかりの頃の畠中を想起させる。
とはいえ本人はいたって強気。プロのスピード感を体得できた去年を活かし、今年は本格的にCBのレギュラー争いに絡む腹づもりのよう。高校の大先輩である松田直樹氏へのリスペクトからか、今季は33番をまとって気合も十分。チアゴがいなくなり畠中やエドゥだけでは回しきれないCBは激戦区でもありながらチャンスの多いポジション。今季中のレギュラー奪還を狙いたい。
乃木坂ヲt…ファンなのは周知の事実なりょうたろさん。アイドルとはなんたるかを知っているからか、指ハートやそのまま宣材写真に使えそうな写真映りなど愛され仕草は熟知しているもよう。ヤマのプリンスとなった山田康太のように顔だけでなく仕草で攻めてくるあざとかわいい系。LINE LIVE中のかっちゃんに「ツノ、おいで〜」と言われて実家の大型犬のごとく近づいたのはあざとさの極北。オレでなきゃ見逃しちゃうね。でもたぶん一番懐いてるのはオビちゃん。
36 西田勇祐(にっしー)NEW!!
179cm 18歳 新加入
予想ポジション:RSB、RCB、ボランチ三番手
〜若きポリバレントIn da place to be〜
マリノスユースから昇格した若きディフェンダー。最終ライン全ポジションとボランチを経験済みのいわゆるポリバレントプレイヤー。本人の意気込みを聞く限り、任されたらどこでものスタンスらしいが、昨季エリートリーグでの起用法を見ると今の所はSB。小池龍太を見てもわかるようにマリノスのSBのタスクとプレーエリアは多岐に富んでいるので、精度の高いパスやカバーリングからもわかる立ち位置の良さが光るにっしーには天職かもしれない。
どんなプレーヤーかはこちらの過去記事をご参照ください。
ただ、キャンプ中に負傷してしまったため、新体制発表会で目標としていた開幕スタメンは厳しそう。海外挑戦への野心を表明するなど向上心溢れるパーソナリティなのでこの足踏みは痛恨だろうが、プロ生活は始まったばかり。焦らず治してユースの試合でも見せていたデカめのガッツポーズを見せてほしい。
新体制発表会でのマイクの持ち方にフリースタイルダンジョンみがあったのでもしや…と思っていたら、好きな音楽はHIP HOPとのこと。KABAちゃんとタラちゃんもそうらしいので、HIP HOPクルー結成が待たれる。結成の暁にはパンゾーやケイマンの意志を継いでマリノスナイトで一発かまして欲しい。フロアをブチあげればGKコーチのテツさんも昔を思い出してくれるかもしれないし。
さ、次はMF、FW編!サクサクいきまっせ!
<この項・了>