【待ってろ今から】2021年Jリーグ第18節vs名古屋(H)プレビュー【本気出す】

どうも、「頑張りすぎないように、と言われた通りにし続けていたら、本気の出し方がよくわからなくなってきた」系マリサポのお市です。本気ってなんでしたっけ…

ただしマリノスはそんな悠長なことを言っている場合ではありません(自分に甘く贔屓クラブに厳しい)。本気の出しどころがやってきました。5/26の大分戦から続いていたリーグ戦の連勝が7でストップ、しかも直近2試合ではどちらも2失点ずつ喫しているという厳しい状況。大変不本意ながら首位を独走する川崎を捕まえるためにもここからは勝ち星のみが求められます。

そこに立ちはだかるのが去年4-4-2ブロックで煮え湯を飲まされた名古屋。塩漬けならぬ味噌漬けにされつつ、マテのゴラッソに沈んだ去年のアウェイゲームも記憶に新しいかと。
ただし今年は少し状況が違うようで、、、ということで名古屋戦プレビューはっじまーるよー。

Q. 今の名古屋ってどんな感じ?

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A. 負傷者がピンポイントで発生している上に直近リーグ戦2試合は複数失点。正念場で迎える「お得意様」。

名古屋はCFの山﨑、CBの丸山とセンターラインに怪我人を抱えており、ACLとの兼ね合いの過密日程にも関わらずスタメンをある程度固定せざるを得ない状態が続いている。(もっともマッシモは元からスタメン固定気味だったけど)

こうなってくると相手以上に自分たちの疲労と戦わざるをえなくなるのは、我々マリサポも重々承知の上。事実直近2試合のアウェイ鳥栖戦(7/17)、アウェイ横浜FC戦(8/9)は共に複数失点を喫しての敗北。「堅守」で鳴らしている名古屋らしからぬ負け方をしている。わかるぜ、いつもよりめっちゃ動き重いもんな…

とはいえ不調の原因をすべて「疲労」で片付けられそうにないのも事実。根源にあるのは、今のメンバーでの得点およびボール前進パターンの最適解が見つかっていないという問題ではなかろうか。

鳥栖戦と横(以下略)戦を観ていて顕著だったのは、マテウスによる前進の回数の差だ。下記はSofaScoreによるマテウスのヒートマップとタッチ数等のスタッツ。

一番右が直近の横(以下略)戦だが、この時はCFは山﨑ではなく柿谷が務めている。ラフなボールでも収めて味方の攻め上がりを待ってくれる山﨑は、肝心のゴールこそなかったが鳥栖戦ではチームの助けになっていたように見えた。

だが横(ry戦では彼がおらず、代役に入ったのがゴールに向いてプレーした方が活きやすい柿谷だった。ジーニアスの呼び声通りのワンタッチプレーでカウンターを引き出したりはできるものの、自然と「偽9番」のようになってしまう。となるとDFライン共々攻め上がるための時間は誰が捻出するかとなると、24時間365日年中無休でゴリゴリドリブルできる理不尽系WGマテウスだった。

(それもマッシモの狙いなのかもしれないが)「とりあえず生」みたく「とりあえずマテ」ができるように、マテウスは左右を自由に行き来。タッチ数もグッと増えたため、画像のような状態になったと考えられる。キツい時は理不尽たちに自由をというのは、我々も去年サンちゃんとエリキを放牧して勝ち点を繋いだ日々があるのでよくわかる。

しかしこの「とりあえずマテ」が有効打になるのは、相手の繋ぎのミスからのカウンターなど、相手の陣形が崩れてスペースができている時。逆に相手の陣形が整っている中でCBがボールを持った時などの攻め手が欠けているという点は変わらず課題として残っていた。横(ryが突いたのはまさにこの点であった。名古屋に「ボールを持たせる」選択をしたわけだ。

この封鎖策が効いたのか、名古屋がCBからのショートパスを起点に丁寧に攻め上がることはあまりなく、マテウスや相馬といったサイドアタッカーへのロングパスが主体となった。

こうなると今年の名古屋が挑んでいる前からのプレッシングをベースとした「得点数を増やすために守備を改善」(by稲垣)する働きも雲行きが怪しくなる。後ろから繋いで打開できないなら前線からのプレス→ショートカウンターが手っ取り早いのは、我々も大然和尚でよーーーく知っている。名古屋もここを実装するべく動いているのだが、いかんせん上手くいってないように見受けられる。

プレスの問題になるのは縦の幅とプレスにかける人数。一度敵陣にボールを追いやってマテウスら前線の選手は敵陣でプレスをかけやすい位置にいても、後ろが押し上げ切っていないケースが多い。それでも前で奪うようにサイドの選手も対面の相手を捕まえに行くので、外につり出されてしまう。となるといわゆる間延びが発生する。それを突いたのが鳥栖の1点目や、よk(ryの2点目だ。

ただし、これらは鳥栖のように立ち位置を使って効果的にパンチできるチームや、よk(ryのように「ボールを捨てる」という決断ができるチームによるもの。ボールを持って殴るのをモットーとしながらもここ2試合複数失点を喫してリスク管理が叫ばれるマリノスとはそもそもの立脚点が違う。

なので名古屋としてもこれまでの2試合よりも割り切ってマリノスにボールを持たせ、前半を耐え凌いだところで後半叩いて勝ちを呼び込む…というシナリオが描けそうだ。2020の瑞穂での再現ができれば、「したたかなグランパスをもう一回」というチーム全体の希望も叶うだろう。

Q.マリノスはどうすべき?

A. カウンターに気をつけながら「2トップの隙間」「ペナルティエリア角」を突くべし突くべし

名古屋が再度「もう一回原点に戻って、粘り強い守備を意識」(by米本)するのと同様に、マリノスも「今年の原点」に立ち帰ろうとしている。その原点こそ、ただ攻め続けるだけではなくリスク管理をした攻撃であり、7連勝を下支えしたゲーゲンプレスの出力管理だ。「いつ、何人で、どこを最後刈り取るポイントとしてプレスするのか」をチーム内で共有する必要がある。和田プロが言及していたように、チーム内でも失点増を懸念する動きはあるもよう。

前回から日も浅いので歴然とした効果は見られないだろうが、プレッシングに行く前線のその後ろ、ボランチやCBがどこまで出てくるのかは観戦する側にとってのポイントになりそうだ。

他方、攻撃(ボール保持)の際には名古屋のプレス時にできる間延びを見逃さずに付け入りたい。名古屋のプレスは、自陣でCBが持った時は2トップが最低限の中央へのコースを閉じる係で、ボランチが中盤に浮いている相手を捕まえにいく分担のようだが、一度横に揺さぶったりGKがビルドアップに参加してくると2トップの間を通される回数が少なくない。

図では便宜的に喜田プロが空いているようにしたが、マリノスあるあるで空く人は中央に寄ってきた和田プロになるかもしれない。いずれにせよ、鳥かごの要領で横にずらしつつ、まずは2トップ(CFとトップ下)の隙間を突いていきたい。

前進して相手陣地に入った時、名古屋は迷わず撤退する。両WGも最終ラインと同じ高さまで降りるので、一時的に6バックになることもしばしば。そして左サイドの職人吉田豊を中心とした対人お化けたちとの1対1に持ち込むのが常道だったりする。

だが、この職人たちをどかした上でサイドと中央の間の中途半端な隙間、ハーフレーンを攻略しようとしたチームが鳥栖だった。美しすぎるフィニッシュの3点目はその最たる例だろう。

該当のシーンは5:03から。なお試合前セレモニーでもわかる通りフィニッシャーの小屋松の奥方も美しい。

はじめに仙頭が、サイドに一度流れて相手を釣り出し、さらにLWBの大畑が駆け込んで奥にも選手を連れ出す。それでできたスペースに中野嘉が顔を出してここをキャンプ地もとい起点とする。そこから名古屋は芋づる式に崩されていく。。。という流れ。

このようにサイドに人手がかかると、マンツーマンでいけばいいのか、それともスペースを埋めるべきかが曖昧になりがちで、このシーン以外にもCB=SB間や、降りてきたWGやボランチ=DF間などの隙間ができやすい。サイドに手数をかけ、隙間を活用していくといったらマリノスで言えば「天野純塾長(AJ Kick Academy開講中)」ことAJだろう。

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後半からの出場になるかもしれないが、彼が監督・脚本を務めるペナルティエリア角攻略が名古屋を押し込んだ後の特効薬になるかもしれない。または小池・マルコス・エウベルのトリオによるワンツーで吉田豊を引き出すのも考えられそうだ。

前節最後に清水のブロックを崩せず勝ち点3が取れなかった無念をぜひリーグ屈指の守備網相手にぶつけてほしい。

予想スタメン

最後に予想スタメンは上図のとおり。

名古屋の右サイドは前節よk(ry戦で立て直し要員として投入された2人を予想。いわゆる「恩返し弾」が考えられるのはマテウスだけではない。鳥栖戦のオウンゴールを誘発し、前節もチーム最大の決定機を作り出した前田直輝もトリコロールの前に立ちはだかる。。はず。

マリノスは左サイドのターンオーバーと輪番のお盆休み累積警告で欠場の扇原の代わりに岩田を予想。前述のAJのみならず怪我から戻ってきた(らしい)渡辺皓太の出場も期待。ここ2試合フルタイム出場で11km超えの走行距離を連続して記録している小池龍太だが、サイドの崩しには彼が欲しいのでスタメン予想。後から健さんとテルのズッ友ホットラインで攻めても面白いかも。

長い8月8連戦もまだまだ3戦目。連勝は途切れたものの、ここで勝ち直すことで首位追撃の狼煙をまた上げられる。

ここから本気を出して原点に立ち戻る1勝を掴むのは果たしてどちらか。それでは三ツ沢でお会いしましょう。

<この項・了>

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