【浪漫と】2021年Jリーグ第6節vsG大阪(A)○3-2【算盤】

はじめに

どうも、「オリンピックも楽しいけどJリーグもね」系マリサポのお市です。

連戦で時間がないのでサクサクいきましょう。ということでG大阪戦です。(どういうこっちゃ)
思えばパナスタにはいろんな思い出がありますね。2018はルヴァン決勝前に冷や水をかけられ、反対に2019開幕戦は「今年のオレらいけるのでは?」と自信になる勝ち星を得たり、ターニングポイントによく青黒と当たっている気がします。それでは今回はどうだったのかというと、結果はこちら。

(いつも通り)高山vsドン・フライのような壮絶な殴り合いを制し、アウェイで貴重な勝ち点3!またしてもよそ様の連勝に冷や水をぶっかけながら、最終節まで駆け抜けてシャーレを手繰り寄せたあの2019年以来の7連勝です。
とはいえまだリーグ戦も半ば、依然として首位との勝ち点差は9もあります。追う側としてはこの7連勝を通過点にして首位に圧力をかけたいところなので、勝って兜の緒を締めていきたいところ。2失点していることからもわかるように、歓喜の裏で課題も見えてきました。

そんなポジ・ネガ両方生まれた今回は、趣向を変えて「会話形式」のレビューをやってみたいと思います。筆者の中の楽観主義者と悲観主義者の脳内会議をそのまま文字にしていこうというお話です。前者をポジ市、後者をネガ市と称して、彼らにいくつかのトピックについて喧々諤々やってもらいましょう。言っとくけど図は少ないからね!
それではガンバ戦レポート、はっじまーるよー。

Q. ガンバはなぜ4-3-1-2だったのか?

ポジ市「スタメンはこんな感じだったな」

ネガ市「松波監督のコメント通り、ACLで4バックは2回試したらしいけど、ここ最近はずっと3バックだったから意外だった。ただまあ、台所事情を思えば当然っちゃ当然だわ。」

ポジ市「なんで?」

ネガ市「おざさんのツイートにもあるけど、3-4-2-1をやろうとした時に屋台骨を支えるCB, WBが軒並み連勤なんだよ。あと高尾が札幌戦で怪我したのもデカイ。だから3バックを無理に敷くよりかは、システムを変えてでもフレッシュな選手で戦いたかったんじゃないかな。」

ポジ市「なるほどね。4バックなのはなんとなくわかった。でもACLの時はどっちも4-4-2だったっぽい(シンガポールのタンピネス戦)けど、4-3-1-2にしたのはなんでだろ。」

ネガ市「これも松永さんが喋ってくれてるけど、宇佐美をボール保持のときはフリーマン、非保持のときはアンカー番にしたい気持ちがあったらしい。だから2トップの一角というよりかはトップ下にしたくてこの並びにしたんじゃなかろうか。」

ポジ市「なるほどねー。実際序盤は前3枚と3センターの3+3で中央を封鎖されたりして結構めんどくさかったもんなあ。」

ネガ市「マリノスにはスペインU-24代表みたくど真ん中をこじ開けるテクがある集団じゃないから、これやられると選択肢がぐっと減っちゃうんだよね。」

ポジ市「(キャラ通りちゃんとネガってくるやん…)」

ネガ市「しかしまあこういう前3枚と3センターの取り合わせでプレスに来られると川崎との開幕戦を思い出すね。」

ポジ市「ああ、あの3-3-1-3とはなんだったのか、みたいになったやつ?」

ネガ市「お前がネガるのは違くねえ!?(トータルテンボス藤田風ツッコミ)」

ポジ市「いやネガってないネガってない。あれはあれで『このやり方は違うな』っていう知見を得たから成功なのよ。ぜーんぜんポジティブだから。」

ネガ市「小ボケを拾いに行って話が脱線するのはオレらの悪い癖だから話を戻そう。あの川崎戦もめっちゃプレスに捕まって何度も天を仰いだねえ」

ポジ市「ぐぬ、そこは認めざるを得ない。結局2失点とも引き金はプレスからのショートカウンターだったもんな。ガンバもそれが狙いたかったのかもしれんね。」

ネガ市「ガンバはこの試合まで負けなしだったけど、上位チームとの対戦は無かったんだよね。でも今後順位を上げてくためには上位チームも食えるやり方が欲しかったんじゃなかろうか。」

ポジ市「おお、ガンバの内情に詳しそうな口ぶり」

ネガ市「ガンバサポのちくわさんがそう言ってたし」

ポジ市「(パクリやないかい)となると、台所事情を加味して4バックにしたのもあるけど、プレスからのショートカウンターっていう武器を実用化する狙いもあったかも…ってことね。」

ネガ市「あとは川崎がやったようにマリノス相手には3+3のプレスが効く、っていうのと、ボールがお互いのゴール前を行き交うオープンな殴り合いに誘ってパトリックやペレイラの空中戦や宇佐美やウェリントンの地上戦で殴る、みたいな『対マリノス』って見方もあったかもしれないね。」

ポジ市「ただの”奇策”ってわけじゃなさそうだね。」

Q. マリノスはその策にどう慣れていったのか?

ネガ市「とはいえ先制点はマリノスだったね」

ポジ市「そうね。20分の宇佐美の無回転ミドルとか結構危ないシーン多かったけど、前半リードで折り返せたのデカかったな。」

ネガ市「さすがにこのゴールはネガりようがない」

ポジ市「だべ?レオちんがここまできっちりポストプレーできるのは嬉しい誤算よね。」

ネガ市「筋肉は嘘をつかんからな」

ポジ市「お、おう。あとはその前の動きがなんとも絶品だった。岩ちゃんとりゅーたに注目してほしい。」

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ネガ市「なるほど、宇佐美を引き摺り回して最終的には菅沼を引っ張り出したのか。だがそもそもしんちゃんの右足のコースを消せてないのは痛いな。」

ポジ市「(相手もネガっていくんかい)ハイライトに入っている部分を見ると、クリリンもエリア内に入ってアンカーの山本を引きつけている。エウがエリア前で気持ちよくシュートできたのは、一人一人が相手をいるべき場所からズラしたのが大きい。」

ネガ市「まあ確かにねえ。。岩ちゃんの降りるタイミングだが、これは彼のセンスによるものかな?」

ポジ市「というより喜田プロとしんちゃんが待ってたのかも。特に喜田プロは宇佐美を引きつけながらしきりに首を振って後方確認していたし。そのあとのりゅーたのフリーランもこれぞ『3人目の動き』って感じでいいよなあ。」

ネガ市「まったくその通りですねえ。あれやられると小池のマークに誰もつけませんからぁ。結果あそこまで運ばれちゃいますよねぇ」

ポジ市「あれ一瞬福○解説員通らなかった…?」

ネガ市「気のせい気のせい。それにしてもプレスの脚を止めさせてうまくこじ開けられたな。それもひし形のポジションチェンジとかあまり使ってないし。」

ポジ市「サイドバックの位置が広く、高くなったのが大きいね。そこからサイドが活性化したんじゃないかな。」

ネガ市「もうちょい詳しく」

ポジ市「4:52に和田プロがサイドに開いて、ハーフウェーラインとほぼ同じ高さで受けてすぐ叩いたプレーがあってさ。反射的に呟いちゃったんだけど」

ネガ市「はいはい。たしかにそれに近い起点で攻めは何度かしたね。飲水タイムから顕著だったけど、マリノスのSBが広がって捕まらない位置※に入ってた。で、WGはそのまま裏に走ったりボールもらってから内側のスペースに向かってドリブルしたりね。」

※捕まらない位置↓

ポジ市「そうそう。あたしゃ外→中のドリブルが好きだよ。相手がズレるからね。(©️川尻こだま先生)」

ネガ市「飲水タイムの時マスキーが和田プロ捕まえてなんか言ってたけど、それもありそうかな。ボランチの位置に入るよりは開いて受けるようになったし。」

ポジ市「そうかも。和田プロのところでプレスを1枚剥がして攻められた回数も多かったし。『開いてタメを作って欲しい、初手は左からいって右から刺したい』みたいな話もあったかもしれん。」

ネガ市「言われる前から捕まらない位置をとってそこからプレス空転させにいく和田プロ、やっぱりヤバいな」

ポジ市「真ん中使えないー!ってなってる時に『いや、初手から中央に刺さなくてもサイド空いてるんでここから刺していけばいいんじゃないですか?』って提案してくれてるもんね。会社員だったら会議が煮詰まった時にいいアイデア出してくれそう。」

ネガ市「わかりみ。りゅーたも賢いって点は同じだけど、和田プロはその上に引き寄せてスライドさせられるようにボール奪われないキープができるのも大きいな。やはりSB…SBはすべてを解決する…」

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Q. 中断前よりゲーム運びがおぼつかず、2失点してしまったのはなぜ?

ポジ市「前半結構チャンス作られながらも1-0で折り返せて、しかも後半開始直後に1点とれたのは大きかったね。」

ネガ市「お得意の押し込み切った形から高い位置でボール回収、相手が陣形を整い切る前にゴール前…っていうのは相変わらずの武器だな。けど…」

ポジ市「けど?」

ネガ市「そこから2失点喫したでしょ。あの辺に今のマリノスの課題があると思うな。」

ポジ市「と言いますと?」

ネガ市「90分間の過ごし方、というか、もっと平たく言うと2点リードしてるならそこまで縦に急がなくて良かったんじゃない?って話。」

ポジ市「あー、五輪代表の時のTLでも似たような話が出てたな。。まあ、『急ぐことになった要因』みたいなものがあるだろうからそこを探っていこう。和式がうんぬんとかの話はもう飽きたし

ネガ市「まずガンバが2失点してから前に出ざるを得なくなった。ペレイラとパトリックにロングボールを競らせたりしながら、DFラインを上げてきたね。かつ3センターの両端が広がって、懸念だったマリノスのSBを捕まえられるようになった。」

ポジ市「もう一度前プレをやり直して、かつ広く守ろうとしたわけね。(オフサイドになったけど)49:48のエウの裏抜けみたいなケースを許すことにはなったけど、もうそこは割り切ってるよ、と。」

ネガ市「なりふり構ってられないからね。アンカーと3センターの両端(IH)の間とか、3センターとDFの間とか空くようになっちゃったけど気にしない。それにこの決断は何気に1失点目の引き金にもなっている。」

ポジ市「PKの前に遡ると、カウンターの途中でクリリンがパスミスしちゃってそこから運ばれたんだっけ。」

ネガ市「そうそう。相手の半数近くを置き去りにしてゴールまで行くつもりが、それを途中で奪われたから相手の半数近くが自陣にいる状態のピンチになっちゃった。」

ポジ市「で、ここから味を占めたようにガンバは藤春と井手口を立て続けに投入したと。」

ネガ市「クロスを供給できる藤春を極端に高い位置に置いて、かつサイドに張らせた。これで一番厄介だったりゅーたのランニングを抑制できる。」

ポジ市「それに加えて足元の技術でかわす山本からルンバばりに走れる井手口を入れて和田プロへのチェックも欠かさないように。これでガンバは相手陣地でボールを拾う回数が増えたわけだ。」

ネガ市「マリノスとしては、裏にスペースがあるし、自陣には相手のプレスが激しいから縦に入れて裏をとりたくなる。勇猛果敢に3点目を狙いに行った、とも見えるし、攻め急いだともとれる時間がだいたい70分くらい続いたわけだね。」

ポジ市「まあ、失点に繋がるミスもなく、3点目とれてたら批判は出なかったんだろうけどね。。」

ネガ市「でもやっぱり急ぎすぎを感じる選手もいたみたいで、AJなんかは相手がライン下げて味方が上がるまで待ったりするシーンもあったな(どこだか忘れたけど)」

ポジ市「これもなかなか難しいよね。今まで我々は自分たちがハイテンポに動き回って相手を巻き込んで、それでガス欠を引き起こしてきたわけだし。80分以降をゴール量産の”ご褒美タイム”にできたのも、相手がその頃にはガス欠してたからってのが大きいだろうからさ。」

ネガ市「『相手を休ませないために自分たちも休まない』ってやつね。とはいえこの夏場の連戦だからどこかで一呼吸入れたりしないとやってらんない。いつ小休止(パウサ)を入れるかってタイミングを掴まないとダメかもな。」

ポジ市「早食い競争をしている時にいつお茶を飲むか、みたいな。本当は自分たちはあんまり動かずにボールを動かしまくって仕留めるみたいなのができたらいいけど、そっちは一朝一夕にできたりしないだろうからねえ。」

ネガ市「とはいえこういう苦しい時間にセットプレーから点がとれたのは大きいね。」

ポジ市「サムネに悪意は感じるけどね!?」

ネガ市「しかしおすぎは打点が高いな。セットプレーのターゲットが1人増えた感じする。」

ポジ市「それよ。ポスト直撃じゃなければ今頃ヒーローだったわ。ポストもこなしてくれるし、タッチも細かいから期待したくなるなあ!」

ネガ市「いや、でも味方がプレス行った時に横パスのコース切りそびれたり、サイドでパス回ししてる時にどこ立っていいかわからなくなったりしてたからまだ早い。まだだ、まだポジるな…」

ポジ市「ぐぬぬ。とはいえタカを入れて『井手口のことはワイに任せえ!』ってして和田プロの負担を減らしたり、りゅーたを押し上げて厄介なフリーランを再開させる采配は的中したっぽいね」

ネガ市「(タカ、2失点目の前おもくそ股抜かれてたけどな)その分結果的にだけど、試合勘が薄れ気味だった健さんや加入して間もないおすぎが入って1枚ずつ丁寧に剥がす…みたいな連携はやりにくくなっちゃったけどね」

ポジ市「でも逆に言えばその2人にプレー時間が与えられたのは大きいんじゃない?この8月の連戦の中で『試合勘がありません』とか『加入してすぐなのでよくわかりません』とかで使いにくい状態の人は減らしたいじゃない。」

ネガ市「お前のが使う言葉厳しくねえ!?求むリスペクトの気持ち!(トータルテンボス藤田風ツッコミ)」

ポジ市「失敬!あれだ『誰が出ても勝てるように』ってやつだ。」

ネガ市「はじめっからそのフレーズ使えって…まあでも確かにそれはあるな。勝ってる時ほど高い強度で試合勘やらチーム戦術理解度の遅れやら取り戻せるわけだし。2019アウェイ名古屋戦でやったエリキの実地訓練を思い出す。」

ポジ市「あの時アンジェめっちゃキレてたな、、」

ネガ市「得失点的には手痛い2失点だけど、8月の連戦を乗り切るには大事な時間だったかもしれん、ってとこで今日はここまでにしときましょうか。おすぎへの期待や休むことないアタッキングフットボールの浪漫とかけて、今回は椎名林檎と宇多田ヒカルで『浪漫と算盤』。」

ポジ市「最近また椎名林檎ばっか聴いてない?大丈夫?また好きなアーティスト聴かれて答えた時に『か、かっこいいですね…』みたいな雰囲気にならない?」

ネガ市「お前はまず自分自身に対してポジティブになれって…」

<この項・了>

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