どうも、「ウイイレのやりすぎでDMFとCMFの表記を使いたがる」系マリサポのお市です。この記事ではわかりやすさ優先でボランチと書きますが、例によってめちゃくちゃ長いのでわかりやすさもクソもないかもしれません。
さ、言い訳はさておき本編いきましょ本編!今回はもっともマリノスユース卒が多いセクションのMFですよ!それではどぞ!
MF 6 扇原貴宏(タカ、タカノスケ、マリノスケモドキ)
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185cm/29歳
ピッチの中では不動のボランチ、ピッチを離れればデルメッドさまもananも放っておかない長身イケメン。
何気にマリノス在籍歴が現有戦力の中でも長い方になってきた。古巣のセレッソがクルピを呼び戻し「時を戻そう」ムーブをしていたため帰巣本能が働くかとか言われたが、何事もなく残留。大阪方面の方々は残念だろうが、いまやタカの帰る場所は横浜なのだ。
代名詞ともいえる左足から繰り出される長短の高精度パスは昨季控えめ。むしろポステコグルー政権下では、数mのランニングや軽いショートパスでもゲームの主導権を掌握する真の意味での司令塔を目指しているもよう。相棒の喜田と比べると決して上手いとは言い切れないターンにも挑戦し、動き直して陣形の穴を埋めつつ攻撃をする上でも有効な「一粒で2度美味しい」位置取りも狙ってる節がある。ボスの要求はもちろん、喜田&和田の田拓也コンビや渡辺ら同僚の良さを吸収して成長しようとする姿勢はひしひしと伝わる。
とはいえタカにしかできないことをもっと出して欲しい気持ちもある。ファン・サポーターが飲みながらマリノスのサッカーを語ると、サイドチェンジを期待する時名前が挙がるのはやっぱりタカだ。フォアザチームの気持ちが強いのは嬉しい限りだが、やるべき義務とやれる武器のバランスがやや前者に傾きがちなのではと思う。走行距離ランクで上位の常連になるほど献身的に走るのはありがたいが、果たしてそれはタカにしかできないことなのだろうか。ショートパス主体の攻撃に慣れたマリノスは、去年パスの長さを変える必要性を突きつけられた。その時の旗振りこそタカに期待したい。
リーダーシップをとることも多く歳上とも歳下とも仲のいい学級委員体質。だが天然。岩ちゃんとは別ベクトルの天然。どのくらい天然かというと、現神戸の飯倉がマリノスから移籍した時の送別会で幹事を務めるも和田さんを呼び忘れるくらい天然。そして画伯。
MF 8 喜田拓也(キー坊、喜田名人)
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マリノスのバンディエラ。私的「安心してまとまった額のお金を貸せるJリーガー」No.1。尋常じゃないレベルのフォアザチーム精神の持ち主で、休日もサッカーとチームのことを考えているとのこと。ストイックさゆえかフィジカルコンディションがガタ落ちしたところはあまり見たことがない、調子の波の少ない選手。
チアゴの速さも、タカのパスも、和田プロのテクニックも喜田名人にはない。だが検知能力はリーグ随一。特に危ういスペースを検知する能力に関しては目を見張るものがあり、何事もなかったかのようにカウンターの芽を摘む。周りでパスが交換されている時、喜田名人のいる位置を見てほしい。そして「相手にボールを奪われて、彼がいる位置にボールが通ったら…」と考えてほしい。ヒヤリハット案件を未然に防いでいることがわかるはず。
ボール保持での貢献度が指摘されがちだったが、持ち前の検知能力を活かして自陣でのパス回しに欠かせない位置どりをこまめにしてくれる。そのセンスを買われて去年は3バックの中央でもプレー。3のつく数字と3の倍数だけアンカーになる人 フォアリベロ(この記事がイメージしやすいかも)としてパスの引き出しとDFラインのカバーリングの両面で強みを見せつけた。
ブレない言動、安定したパフォーマンスから完璧超人と思われがちでファン・サポーターからあまり批判されない選手だが、昨季はチームの調子とともにパフォーマンスが低下してしまった。役割の変化があったとはいえ、2019年からラストパス本数が1/3まで減ったのは、決して彼のポジション推移だけのせいではないはずだ。検知能力を下支えしていた首振りの回数も連戦の勤続疲労か少なくなってしまったように思える。
今期はアンカーなのか、CBなのかはわからないが、ボールを大切にするのであれば要衝となるべき人物。認識は本人にも強くあるようで、ラストパスこそ減ったものの、その一歩手前のパスは多く狙っていた。
このトライが実ったのが2020マリサポもう忘れさせてくれ大賞1位の水原戦の先制点。球足の長いスルーパスを突き刺して仲川のアシストを引き出したのは、健さんでもタカでもなく喜田名人だった。
喜田名人の成長は、そっくりそのままマリノスのボール保持向上に繋がるはず。頼れるリーダーすぎて歳を忘れるがまだ26歳。チームのためにも、そして自身の今後のキャリアのためにもさらに上を目指して欲しい。
スピーチやインタビューの内容が最近ボスに似てきて、サッカーの要素はうまくはぐらかしてくるが、ファン・サポーターへのメッセージはこっちが照れるくらいドストレート。ホーム最終戦の「ひとりひとりの気持ちを合わせて、戦い抜きます」とチャント(応援歌)の歌詞を使った心憎いスピーチにやられたサポは筆者だけじゃないはずだ。
ただしチームではいじられキャラ。気の利いたツッコミができてしまうので、みんないじりにいく。会報誌でバラされた通り、何がとは言わんが”募集中”。あと実はオシャレ。華美な服装に走る服の話とか振るとサッカーの時以上にめっちゃ喋ってくれそう。
MF 14 天野純(じゅん、AJ)
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三ツ沢での「じゃ、ベルギー行ってきまーす」「みんなとコミュニケーションとれるようになってきます!」から数ヶ月、まさか移籍先のクラブがなくなって友達を連れて帰ってくるだなんて誰が想像しただろうか。コミュ力が上がったかは知らん。
帰ってきたAJは、心なしか痩せていた。それは向こうでの心労のせいかと思ったら、実は体重を落としてキレを取り戻したんだとわかったのがホーム湘南戦。堂々たるドッペルパック(1試合2得点)。特に2点目、ワンツーでペナに侵入して点を取るパターンは渡航前では見られなかった。キャスでヒロさんと北の国からの五郎さん風に「じゅううううううん!」と叫んだのは今でも思い出せる。
だがその後はマルコスにポジションを譲り、なかなかスタメンに戻れない時期を過ごす。ハーフレーンから内側でも突っ切っていくプレーよりもサイドでのプレーが増え、次第に渡航前のAJに戻っていったように見受けられた。
もちろん外に流れて意図的に人の密集を作って逆サイドを空けたり、無理めな体勢からでも左足クロスを入れたりは彼の武器として期待できるのだが、トップ下でプレーするのであれば湘南戦2点目のような動きを見せて欲しいところ。去年その一端を見せたAJ ver3.0の最終形をぜひ今年は拝みたい。
ちなみにオフシーズンにアパレルブランドとのコラボを果たす。筆者は安月給なので泣く泣く見逃したし、AJ本人は感染予防のため不参加だったようだがイベントは大盛況だったらしい。
あとオンライントリフェスではうっかりズボンを履き忘れて立ち上がるという、おじさんリモート飲み会あるあるを炸裂させてしまった。大丈夫、俺たちは何も見てなかった。断じて、何も。
MF 18 水沼宏太(パパ・ミズヌマ、FZKM)
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元・SNSに捨て台詞を残して去った若者 加入後即チームになじみ、ムードメーカー枠と2020Jリーグアシストランク1位の座を射止めたUターン就職系クロスマッスィーン。FZKMこと古巣絶対こ○すマン(コンプライアンスを気にした文体)っぷりは健在。鳥栖戦こそ1アシストに止まったがセレッソ、FC東京だけでは飽き足らず、父の出身地浦和相手では1ゴール2アシストの無双ぶり。古巣の皆々様には今年もたっぷり”恩返し”させてもらおう(ゲス顔)
クロスに目が行きがちだが、試合を見てるとタッチライン際からよく通るコーチングを欠かさず行いチームを牽引する姿勢も感じられる。自分と逆サイドでの攻撃の停滞を見ても、対岸から大声で指示を出していく。あの大きさなら無観客試合じゃなくても届きそうな気はする。加入を疑問視する声もあったが、蓋を開ければレンタル→売却ばかりだった2020冬加入組の中では数少ない期待を上回ってきた選手だった。
とはいえ流石にエリキやサントスを核とする鬼畜速攻ベースでは、トップスピードに物足りなさを感じたのも事実。また決定機逸も少なくなかった。「バランスを求める」とボスが述べた通りになるのであれば、去年以上に遅攻の重要性にフォーカスが当たるシーズンになる。スピードが他のWGほどなかったとしても、周りの良さを引き出すフリーランと制度抜群のクロスは既存戦力にはない専売特許だ。
紆余曲折ありながらもトリコロールで居場所を掴んだ背番号18、チームを牽引しタイトル奪取の原動力となるか。そんな絵面実現したらエモすぎておじさん泣いちゃう。
LINEライブ含めメディア露出度の高さはクラブでもNo.1。映像の構成能力とマメな連絡で番組プロデューサー兼広報担当としても大変有能。まさかデジっちで泣く日が来るとは思わなかった。
また大津社長が根付かせたファンやスポンサーとの関係性の種を芽吹かせる役回りをしてくれている点は冗談抜きでもっと評価されるべき。
MF 26 渡辺皓太(なべこ)
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今期注目の若きアタッカー。ヴェルディ時代はJ2で唯一コパアメリカの代表に召集されるなど、クラブの明日を担う逸材としてキャプテンまで就任したが、そこは人さらいとして名高きマリノス、素知らぬ顔して強奪。
特徴:かわいい。何がかわいいってまず走り方がかわいい。ちょこちょこ走ってる選手がいたらだいたいなべこだと思ってもらっていい。身長は喜田名人とかとあまり変わらないから身長がそうさせるわけじゃないだろうに、なべこだけ所作がかわいい。アウェイ清水戦、彼のマリノスでの立ち位置を確固たるモノにしただろう魂のダイビングヘッドもかわいい。フリスビーにとびつくポメラニアンみたい。
だがプレー自体は熱くテクニカルでかわいさとは無縁で、小さな身体をむしろアドバンテージに変えている。相手の懐に潜り込むスキル、身体を当てられても体勢を維持できる強さの両面を利したボール奪取は、スタジアムを沸かせる。イニエスタの懐に潜り込める日本人(©️ロッドさん)。
ボールを持てばヴェルディユース卒らしいテクニックを見せる。突っ込んでくる相手をかわしてボールキープできるので「いまパスを出しても奪われるな」というタイミングを少し待ってパスが出せる。この次にどこをいつ使うべきか見極める巧さはゴール前へのランニングにも活かされており、ホーム名古屋戦では抜群のタイミングで走ってきてゴールを奪ってみせた。
守備時の対人スキル、反転するボールの扱い、ゴールを奪うセンスと現代の攻撃的MFに必要な要素を持ち合わせる選手なので、かなり評価は高いはずだが絶対エースのマルコスの立ち位置を奪うまでには至らなかった。またボランチで使うとボールに食いつきすぎてスペースを空けてしまったり、トップ下で使うと突出したプレスをしてしまったりと動きすぎな面は要改善。年齢と完成度を考えれば海外移籍を視野に入れて然るべき選手だと思うので、持っている武器をさらに磨いて今年は国内外に名を売るシーズンにしてほしい。
前所属でキャプテンに選ばれるだけあって、チームや己を鼓舞するコメントが多い…が、いろんなメディアを見る限りは内向的な性格。SNS不精甚だしい夫の代わりに奥様の実紀夫人がイチャコrもとい微笑ましい写真を上げてくれる。木村カエラのbutterflyが流れてきそうな写真の数々は、荒んだ心を癒してくれること請け負い…なんだけどまさかYouTube始めるとは思わなんだ。頼むから表情筋を緩めてほしい。ゴール後に見せる笑顔はどこに隠してるのか。
あと去年生まれた愛息はめっちゃお父さん似。
MF 35 樺山諒乃介(カバちゃん、KABAちゃん) NEW!!
171cm/18歳
(この文章の一部は2/23に書いています)
興國カルテット3人目。時代を感じる角刈りフェイスとは裏腹に、プレーは現代的なトップ下そのもの。隙間でも受けられるボールコントロールはスピードを上げてもブレず、WGよろしくドリブルで運ぶのもいける。腕を使ってキープするのも得意そう。高校時代テクニシャン集団の興國で2年生から10番を背負っただけあるなと思える技巧派。
トップ下はMJ,AJさらにはなべこと激戦区なので即戦力とまでは言わないものの、IHかWGとしてルヴァンで出場機会を掴む可能性は大いにある。とにもかくにもプロのスピードとマリノスのやり方に慣れれて欲しい…なんて言ってたらキャンプで2ゴールをマーク。うち甲府相手に決めた1点は見事な左サイドからのカットイン。テンポをいきなり上げるドリブルはわかっていても止めにくい。エウの負傷もあるので、LWGとして思ったより早くプロ初出場を果たすかもしれない。
(2/27追記)
とかなんとか言ってたら本当に開幕スタメンを射止めてしまった。立ち位置のとり方も難しい上、対面の相手に勝たねばならない役回りだったが、ボール保持の時は高卒新人とは思えぬほど優秀だった。とりわけ山根とジェジエウを1回ずつ置き去りにしたドリブルは、お通夜状態だったマリサポにとっては希望の光に見えたに違いない。
MF 37 南拓都(たくと、みなみん) NEW!!
175cm/18歳
興國カルテット最後の1人。田川、平井、樺山のトリオは早い段階で加入が決まったが、みなみんは後から。50m走5秒9とも言われるスプリンターとの触れ込みだが、スピードだけでなく全般的な身体能力に長けた右サイドの職人というイメージ。筆者が見たゲームではSBも務めていた。(参考値として前田大然は50m走5秒8と言われている)
キャンプの練習試合ではWGとしてプレーしており2ゴールをマークしているが、恩師である興國の内野監督はSBとしてなら日本代表も狙えるとのこと。たしかに身体能力にあぐらをかくタイプとは思えず、いて欲しい時にいて欲しいところに(持ち前のスピードを活かしてギリギリではあるが)位置どりをしてくれる選手。逆サイドからのクロスを押し込む立ち位置に入れるタイプ。
同じ快速ウィングとして、テルに教えを乞い「(若いのにしっかりしていて)興國やべえな」とテルに言わしめた勤勉さもある。もしSBとしてプレーするにしても高野きんにくん始めロールモデルは多い。身体能力高めな選手にありがちな「明確な武器は持っているけど使い方がわからない」「サッカーの上手い陸上選手©️tkqさん」というキャリア形成は是非とも回避してもらいたいところ。あとボスは一回でいいから、南・前田・仲川のJ史上最速トリデンテをノリで試して欲しい。