どうも、「気づいたらアタッキングサードにいるDFを見ても特段驚かなくなった」系マリサポのお市です。まきととかオトリの動きで相手DFつったりしますしね。
ささ、時間もないので巻きで行きましょ!今回はDF編です。登録としては総勢11名で、厚めのスカッドを維持していた去年のスタートよりも1人多い大所帯ですね。CBからWB、果てはボランチまでこなす多芸な選手たちをご紹介しましょう。
DF 4 畠中槙之輔(しんちゃん)
Embed from Getty Images184cm/25歳
横浜のCBユニット、チーちゃん・しんちゃんのめっちゃテクい方。ついに栗原勇蔵船長から4番を引き継いだ日本屈指の チャラい テクいCB。日本代表歴あり。1試合のパス本数が100に迫るCBなんていないとお思いでしょ?いるんですよ横浜に。
エグいパスを最後列から出すキャラとしては日本におけるパイオニアとも言える選手だが、いかんせん本職の守備のところで評価が上がらない。とりわけ去年は陸空ともに(例:アウェイ川崎戦、水原戦)露骨に戦犯として槍玉にあがってしまう目測ミスが多かった。いつしか「リーグNo.1CB」として彼の名を挙げる声は少なくなってしまった。
だが、我々マリサポは知っている。2019年の快進撃の陰で自陣ゴール前で身体を投げ出してでも食い止めたり、外国人FWとの空中戦でも勝つしんちゃんの姿を。ただのチャラいCBじゃなく、数的同数や劣位でも戦うしんちゃんの姿を。もちろん実力不足な部分はあるだろうが、2020シーズンは連戦の疲労耐性があまり無いようなので、いくつかは頭と体の疲労起因のエラーだったかもしれない。それでも抱える去年の悔しさの大きさは、チーム内でも随一だろうし、海外移籍の線もある中で残留を決めた彼の決意は推して知るべしだろう。
今季は25歳になる。ポジション争いの相手は海外で活躍している。そしてチーム内ではビルドアップの軸として、DFリーダーとしての動きが期待される。海外行きの夢に向けて、サムライブルー返り咲きに向けて、そしてタイトル奪還に向けて、しんちゃんにとって捲土重来のシーズンが幕を開ける。
去年はスポンサーのグローバルスタイル様ご協力のもと、結婚式用のスーツを作った。ちょっと攻めたいタイプ。
和田、水沼評では「案外リーダーシップとれる」「皓太を面白くしようとしてる」らしい。海外挑戦するにしてもその前になべこにひとキャラつけてやってほしい。もう1人仲の良かったパギとの離別の際は、かなり心のこもった投稿を送っていた。
DF 5 ティーラトン・ブンマタン(ブンちゃん)
Embed from Getty Images171cm/31歳
巧みな足技と体術のような1対1対応、そして「悪魔の左足」とも評される左のキックが持ち味の技巧派SB…のはずだが去年は連勤に苦しんだ。去年の出場時間は喜田、扇原、畠中に次ぐチーム内4位の1987分。外国籍選手としてはNo.1の出場時間を彼が記録するとは思わなんだ。ちなみにブンちゃんは提携国枠の選手なので、「外国籍選手は試合に5人まで」のルールには含まれない。
距離感近く、相手が止まっている状態ならば体術を発揮してかすめ取れるブンちゃんも、シンプルに速いWGや間合いが独特なWGには手を焼いた(ぶっちゃけ札幌のルーカス・フェルナンデス、C大阪の坂元は天敵)。そのため結構な頻度で各クラブの快速自慢をぶつけられていた。言葉を選ばずいうならば、「狙い目」と思われてしまった印象は否めない。
疲労は溜まる、それでも相手は自分を狙い撃ちしてくる。そのうえ去年はド腐れCOVIDのせいでご夫人とご子息の来日が叶わず、丸々一年単身赴任だった。オンライントリフェスで喜田さんのケツをしばいたのは ACL全北戦のゴラッソは家族に会えないストレスをぶつけた怒りの一撃だったに違いない。(偏見)
投げ出したくなるような苦しい状況でも、狙われ続けても、ブンちゃんは逃げずにそのスキルで勝ちを手繰り寄せようとし続けた。時にその正確無比な左足をロングパスに使ったり、隙間でのパスを引き出して攻撃にアクセントを加えたり。異国で未曾有の状況と戦いながらも自分の価値を証明し続けようとする彼の姿は、プロフェッショナルと呼ぶに相応しかった。
3バックで出場する場合はWBとしてサイドを1人で担当するシーンも増えそう。例年どおりスピードでぶっちぎられることもあるだろうが、あまり定位置に止まらずに様々な位置からプレーに関与できる今年のサッカーはスキルフルなブンちゃんの見せ場が増えるはず。今年はご家族も来日するらしいので、ぜひぜひ怒りの一撃改め歓喜の祝砲をかましてほしい。
ファンにはサインしてくれた後微笑みながら合掌してくれたり、扇原のルー語みたいなコミュニケーション(TheDAY Vol.23より)もなんとか相槌を打つなど仏のようにいい人なんだが、なぜだか喜田にだけ態度がきつい。喜田さんは前世何か徳を積み損ねたんだろうか。と歳下の選手にも「センパイ」と呼びかけてくるらしい。今年から冠番組「ブンちゃんTV」がスタート。不定期更新らしいがブンちゃんの飾らない人柄がよく出ている好企画なのでもっと伸びて欲しい。
DF 13 チアゴ・マルチンス(チーちゃん)
Embed from Getty Images185cm/25歳
横浜のCBユニット、チーちゃん・しんちゃんのめっちゃ速い方。テルや大然和尚のように初速がすごいというよりは、トップスピードがトンデモない。自分のパスが起因でピンチを迎えた時 or 後ろがほとんど誰もいない時とか特に速い。相手の裏抜けに対し明らかにタイミング遅れているのに追いついて潰し、例年通り相手の快速自慢の心をへし折っていった。体感的にはF1マシンの速度で2t車が飛んでくるくらいの恐怖があると思う。
そんなチーちゃんも去年は怪我に苦しんだ。
負傷を乗り越えたものの、調子は結局2019シーズンの最高潮まで上がらなかった気がする。具体的には完全に背後を取られる回数が増えた。バックステップの回数が減ったのか、首振りが減ったのか、CBの相方やGKがコロコロ変わったのが影響したのかはわからないが、「チアゴに祈る」の祈りが届かないシーンが散見された。歓喜の雄叫びをあげるチーちゃんよりも、悔しがるチーちゃんのが多かったのは悲しかった。
それでもチーちゃんはチーちゃんだった。逆を取られてもなんとかスピードで挽回したり、正対すればなかなか抜かれないあたりは変わらぬ強さを誇っていたと思う。また、「ボール保持といえば畠中」という印象を覆すかのように、攻撃(ボール保持)での貢献も光ってきた。DEATH STRANDINGよろしく最後尾からドリブルでボールを持ち運んだり、加速させる縦パスを入れる頻度も来浜直後より上がっている。
進化を続けるハスキーボイス・モンスターは、もう一度JリーグNo.1CBの名を奪還し、王者への返り咲きの雄叫びを轟かせられるか。ヨーロッパ行きの声もあるかもしれないけど、もうちょっと横浜でダベってほしい。
チーム屈指のムードメーカーで、他のブラジリアンとだけでなく健さんやタカなど日本人ともよく絡む。
だが厚切りジェイソンが実はインテリであるように、チーちゃんもなかなか賢い。特に来日4年目を迎えて日本語の上達が凄まじい。日本語はどう?って聞くと「めちゃめちゃ難しいね(流暢なイントネーション)」と答える。「めっちゃ」と「ちょっと」が使い分けられるまで成長している。
DF 15 伊藤槙人(まきと)→磐田へ移籍
Embed from Getty Images183cm/28歳
チーちゃんの怪我により台頭した半袖汗かきイケメン。好物はイチゴ。筆者は桝太一アナに似てる説を根強く推してるが賛同はあまり得られない。体格に恵まれており、目の肥えたマリサポ筋肉愛好家からの評価も高い。
2020年評価をあげた選手の1人。2019のレギュラー陣が軒並み苦しんだ去年の過密日程も、まきとにとっては追い風となった。チアゴの負傷でお鉢が回ってくると、リーグ戦17試合に先発し1555分の出場時間を記録。ベンチウォーマー(代謝良さそうだからめっちゃあったまりそう)から欠かせない主力に躍り出た。
その躍進を支えたものこそ、酷使過密日程に耐えうるタフネスだったと思う。ほとんど目立った負傷もなく、パフォーマンスの波もあまりないまきとは、監督からすればとても助かる存在だっただろう。職場でも「それ、俺やっておきましょうか?」と言ってくれる人がいてくれると嬉しいのと同じだ。こうして出場機会を得たまきとはもともとの持ち味であるスピードをアピールしつつ、(セレッソ戦の退場とか)やらかしをしながらも攻撃でも貢献できるように成長を重ねた。
大学からジェフに入ったものの1年で契約満了を告げられながら、J2を主戦場に戦ってきたまきとがマリノスで成長を遂げてACLで戦うにまで至った。このストーリーは贔屓目を抜きにしてもなかなか胸熱な話だと思うし、間接的に「ジェフユナイテッド千葉(のあと)で夢を叶えた」選手と言っても過言ではない。
3バックを導入するため、CBを務めるまきとの出番は増えそうだが、岩田の加入、松原のCB起用など同時にライバルは増加した。また3CBともにボール保持の能力が求められる新機軸になるはずなので、まきとには更なる進化が求められる。昨シーズンまだ課題として残している利き足とは逆の左足でのタッチを改善させていけば、守備者として頼もしいまきとにもお鉢は回ってくるはず。丹念にアピールをして、昨年以上の存在感を見せて欲しい。
(2021/09追記)
3バックやらないんかーーーい!!!という方針変更と、前年の「CBは替えすぎるとアカン」という反省からくる畠中チアゴ固定制の導入により出場機会が激減。これまで序列が低くとも価値を示し続けた不屈の男まきとでも、出場できないとなるとなかなか厳しいものがあった。
そろそろ30歳という大台が見えてきていることもあり、出場機会という何より大事なファクターを求めたのだろう。自身の故郷静岡は磐田に新天地を求めた。形としてはレンタルだが戻ってくるかは怪しいところ。磐田は優勝が見えているくらい好調なので、ぜひ昇格と優勝の原動力になってほしい。
DF 16 高野遼(高野きんにくん)→磐田へ移籍
Embed from Getty Images171cm/26歳
おい俺の筋肉!WGやれんのかい!やれないのかい!どっちなんだい!やーーーーる!!のノリで、本職のLSBだけでなくLWGもやった生え抜きのキン肉マン。ユースでは喜田と同期。日体大卒なので頻繁にエッサッサを求められたり、筋肉ネタを求められたりする。特に公式SNSは事あるごとに彼をあられもない姿にしていく。けしからん。もっとやれ。
パッと見でわかる強みを持つSB。ガツン!と当たってボールを奪う強さ、ドドド!と駆け上がるスピード、バチン!とゴール前に突っ込まれる高速クロス。マリノスの中でも屈指のオノマトペで表現しやすい選手で、筋骨隆々で攻守の様々なタイミングで顔を出していく姿はスーパーマンのよう。ただしパスで相手の穴を突く巧さはブンちゃんのが上手で、アウェイ名古屋戦ではボスの逆鱗に触れたことも。
左利きで対面の相手をぶっちぎる加速力を持つ選手、ということで後半戦は1列前のWGとして起用された。なかなか本職のWGのように動けず、そこがチームとしての攻撃のネックになってしまった試合もあったが、ACL上海上港戦の劇的ゴールを演出したクロスとその前の突破は彼だからこそできた芸当だったと思う。
高野のクロスから天野純のゴールと育成出身者コンビの活躍で強敵上海を倒したこのゲームは、ユース893の皆さまにとっては胸を打つシーンだったのではなかろうか。
一昨年は大怪我で半年近く戦線を離脱したが、去年は負傷に悩まされることなく貢献。今期の新機軸であるWBの座をブンちゃんと争いつつ、枚数の少ないWGのプレーも大いにありうる。だが個人的に筆者はWBでのプレーを推したい。ボスにブチギレられながらも、わかりやすいスピードやクロス以外の周りの選手との連携構築も徐々に成長が見える。さらにプレーの幅を広げつつ、稀有な武器をさらに磨いてほしい。
(2021/09追記)
まきと同様、磐田への移籍が決まってしまった。今シーズンのSBは求めるタスクが多岐にわたる。特にブンちゃんや和田プロが持ち合わせる中央でもプレーできるテクニックは必須要件で、高野の武器である縦への突破力や必殺のクロスよりもニーズがあるのが実情だ。高野がSBでの出場がほとんどなく、WGとして起用されたのも道理ではある。
ピッチ上のニーズがあって、それにより合致している選手が重用されるのは至極当然のこと。また出場機会がなければ個人事業主たるサッカー選手は違うクラブへ向かうのは自然の摂理だ。それでも育成組織出身で色々な道を巡りながらまたマリノスにたどり着いた高野との別れは、流石に感傷的にならざるを得なかった。
新天地の磐田ではWBとして起用されているよう。タッチライン際を1人で担当できる役回りは、走力と個人での打開に長ける高野には合っていると思う。ぜひマリノスを、我々を後悔させるほどの活躍を見せて欲しい。
DF 19 實藤友紀(實ッティ)
Embed from Getty Images179cm/33歳
フィールドプレーヤー最年長、という肩書きとは裏腹に衰えぬスピードで最終ラインをカバーしてくれるイケオジ。元前線の選手にして風間八宏の薫陶を受けたトメルケール教徒とあって、キックが実に正確。機を窺うのもうまくスイッチを入れるパスを出す土壌を作ったり、ワンツーで持ち上がって敵陣深くまで侵入することも。
あくまでチアゴ負傷時の応急処置的に獲得とたかを括ってた筆者が度肝を抜かれたのがアウェイ清水戦だった。
左サイドを見事なワンタッチパスで崩し、最後クロスを上げたのはIHでもWGでもない。CBの實ッティである。押し込んだ時のポジショニング、パスの正確性、どれをとってもアンジェマリノスにぴったりの選手だとその時やっと筆者は悟り、画面越しに「サネさんマジすいませんっしたああああ!!」と土下座した。
だが彼には大きな敵がいる。怪我だ。フルスプリント→「サネさんサンキュー!」→もも裏を押さえてうずくまる→「サネさあああああん!」という悲しいシーンもあったし、負傷明けの出場で再度離脱したこともあった。先述のとおりマリノスのスタイルへの適合性は十分なのに、出場時間は今シーズン残っているフィールドプレーヤーの中では最短の448分。今年は去年ほどの過密日程にならないはずなので、コンディションを維持しつつ渋いプレーでマリサポを沸かせてほしい。
趣味はバス釣りだが魚は苦手らしい。一男二女の家族を持つイクメン。マリノス移籍とほぼ同時に生まれた第三子のおすずちゃん含め、インスタでは要所要所で起用している。めっちゃかわいい。(シャシンは福岡時代のもの)
DF 24 岩田智輝(岩ちゃん) NEW!!
Embed from Getty Images178cm/23歳
ボスが2年連続欲しがったと言われる何でもできるカタノサッカーの申し子。健さんと同郷で移籍の際は相談に乗ってもらったとか。岩ちゃんの名を聞いて思い出すのが一昨年のアウェイ大分戦のトラウマ。
WG顔負けのスプリントと高速クロスで藤本憲明の2点目をアシストしたのが、誰あろう3バック右脇の岩ちゃんだった。金井、松原と引き継がれていく「なんでそこにいるんだ」的ポジショニングは得意中の得意。この速いキックはロングパスにも活かされており、トンデモサイドチェンジもぶち込む。映像の奥の方から手前に向けて弾丸フィードを蹴っているのが岩ちゃん。
人が多く動いてDFも攻撃に絡むマリノスのサッカーへの適性は確実。それどころかロングパスや持ち運びといったショートパス以外のボール運びの手段をもたらせてくれる選手なので、更なるステージへとマリノスを引き上げるかもしれない。ボスが2年恋い焦がれた理由もわかるし、ハマれば瞬く間にスターダムを駆け上がる可能性も十分。海外志向の強い選手なので、横浜から世界へ飛び出すかもしれない。
一方、マリノスのサッカーのポジションチェンジは大分のそれとは異なる部分もあるので、早め早めにマリノスのやり方に順応していきたい。完全にフィットしてマリノス新機軸のキーマンとなるか、なかなか馴染めずに終わってしまうか。プロキャリア初の移籍を果たした岩ちゃんの挑戦に乞うご期待。
健さんとは同郷どころか実家が間近とのこと。文字通り「お兄ちゃんの友達」らしい。性格は語弊を恐れず言うとド天然。自慢の筋肉は「表情筋」と答えたり、ずっと指示を出している片野坂監督と違ってアンジェ監督は両腕を組んで様子を観ているけど慣れたか」と聞いたら「腕組んでいる姿にですか?」と斜め上の回答を量産している。
新体制発表会でマリノスケに「小5にしてはデカくないすか?」「今日までヒヨコやと思ってました」とぶっこむメンタリティの持ち主。その後、無事和解した。
DF 25 小池龍太(りゅーた)
Embed from Getty Images169cm/25歳
白状します。プレー初見で惚れました。経営破綻して総解散したロケレンから、AJのお友達紹介キャンペーンでサルベージされた秀才系SB。もう一度言う。りゅーたは秀才である。TT ROUNGE FMでパンゾーさんが激賛していたように腕前は確か。
孫の手ばりにかゆいところに手が届くポジショニングをしてくれる稀有なSB。色んな場所に顔を出すために走行距離が伸びたり、入団間もないオンライントークイベントでタンクトップいっちょになったりしたため あと若干見た目がア○ファード乗ってそうだからか 、「体力とノリと勢いで勝負するガテン系」と思われがちだが実はその逆。NSK(なぜそこに金井)を継ぐNSK(なぜそこに小池)ができるクレバーなSBである。
マリノスのサッカーは特殊ゆえ馴染めずに終わる選手も多くいた中でりゅーたはものの1,2試合であっさりフィット。ムードメーカー気質も相まってかすっかりチームの主力となった。ホーム最終戦、浦和戦にはスルスルとピッチ中央を抜けてゴールを奪うまでに。
自身の念願だったであろう海外挑戦が残念な形で終わったこともあり、ヨーロッパリベンジをキメる可能性も大いにある。その前にぜひマリノスでディテールを詰めてさらに一回り大きな選手になって欲しい。具体的には速いテンポのパス回しでのボールの置き所などは改善の余地ありかも。せっかくいい位置にいるのにトラップがまごついてロスト or 死角からの相手に気付けずロストなど惜しいシーンが多かった。
またチームの性格上、SBが1人で頻繁に複数の相手選手の面倒を見ることが多いためか、ぶち抜かれるシーンが散見された。(そのせいでりゅーたを「守備に難あり」と評価する声もあったが、これは全力で否定したい。)
今期は新システムの肝となるWBとしてプレーするだろう。自由(っぽく見えるけど理にかなっている)な動きを見せるりゅーたにも期待がかかる。足元の技術に磨きをかけつつ、ボールを奪われたあとの守備でも強みを出せれば、「マリノスの右サイドに小池あり」と知らしめることになるはずだ。
シーズン前のスーツ総選挙ではなかなか票が集まらなかったのでセルフアピールとしてタキシード姿を公開した。
DF 27 松原健(健さん、ケニー)
Embed from Getty Images180cm/28歳
名実ともに横浜を愛し横浜に愛される長身小顔テクニシャン。秀才というよりは天才。脈絡のない直感的な動きで「そこしかない」という立ち位置に入る頭の回転の速さ、パスの行く先を読みにくいボールの持ち方と長短のスルーパスが持ち味。あと試合中倒れたコーナーフラッグを再建することに定評がある。#安心と信頼の施行技術の松原工務店
健さんの2020年を振り返る上で触れざるを得ないトピックがある。2020/9/27の柏戦だ。
この試合で健さんは柏のMF戸嶋祥郎と激しく接触。戸嶋は全治6ヶ月の重傷を負ってしまった。白状すると筆者もあのシーンはつい反射的に目を避けてしまうレベルだった。スライディングの足がだいぶ高かったので、健さんは「故意に怪我させたのではないか」とSNSをはじめとする各方々から誹謗中傷に晒された。ちなみに私見だが当該プレーの後の健さんはどこか所在無くプレーしていたように見えており、ふてぶてしく故意で負傷させた選手の所作とは思えなかった。
だが健さんはこの淵から這い上がってきた。奇しくも彼がそれを内外に知らしめたのは、プロ生活の始まりの地となった古巣大分とのゲームだった。
大雨の三ツ沢。GKが一歩も動けない軌道を見舞った健さんは、古巣へのリスペクトとしてゴールセレブレーションをしなかった。だが堅く握りしめた拳がちらりと見えた時、筆者は織田信成ばりの涙を流した。さらにその試合の健さんは際どいパスを通し続けたり、ルーキーの松田(今季は大宮へレンタル)など各方面に声をかけ続けてチームを引っ張り続けた。ゴールを差し引いても健さんのベストゲームの1つだったと思う。
試合後、ヒーローインタビューのお立ち台に立った健さんはサポに向けてこう言った。
「SNSで誹謗中傷の言葉を多く受けました」
サッカーマガジン 【横浜FM】サポーターからの励ましに感謝。松原健「自分のパワーになりました」
「でも、それ以上にマリノスのサポーターの皆さんから暖かいメッセージだったり、励ましのメッセージを多く貰って、それが自分のパワーになりましたし、このチームでよかったな、と心の底から思えました」
筆者、なすすべなくここで2度目の信成。
3バックに挑戦することが濃厚視される今シーズン、健さんはWBではなく3バックの一角としてプレーしそう。前線のアタッカー(主にテル)を走らせる長いスルーパスF難度の『マツバラ』が最後尾から飛んでくるかもしれないし、WBとポジションチェンジをしてNSK(なぜそこにケニー)を発動させることもあるだろう。リーダーの風格が漂い始めた今だからこそ、改めてのびのびプレーする健さんが見たい。あとポカは減らして欲しい。
マリノスのファンエンゲージメント施策のひとつLINEライブでは、ほぼ準レギュラーという体でよく出てくる。ケニーと呼ばれるのはお気に入りらしい。大分県宇佐市の出身で岩ちゃんと同郷。というか岩ちゃんのお兄ちゃんの友達。2人で喋るときは訛りがちょっと出る。
めちゃくちゃ人気なのでスポンサーのデルメッドさまとのコラボ動画の常連。ツンデレキャラ作りもそろそろ板について欲しい。
DF 30 平井駿助(ケヴィン、デ・ヒライネ) NEW!!
186cm/18歳
興國カルテット2人目。高校NO.1の チャラさ 足元のテクニックを誇る現代的なルーキーCB。実はチームのフィールドプレーヤーでもっとも身長が高い。ボールを身体の真ん中に置いたまま鋭い縦パスをねじ込む姿は、「畠中二世」としての期待を抱かざるを得ない。高身長を利した空中戦勝率の高さも魅力。あと身体の無理がきくため、ギリギリ足を伸ばして相手のボールをつつくシーンも散見される。
マリノスは実は高卒CBを育てるのがあまり上手くなかった歴史がある。松田直樹、中澤佑二、栗原勇蔵、そして今は畠中槙之輔といった代表クラスの選手がいたため、若いCBがなかなか試合に出られなかったことが主な原因だと思う。畠中だけでなくチアゴを筆頭としたCB陣がいるたえ今季のケヴィンも、出場機会自体はあまりないかもしれない。主戦場はカップ戦になるだろうが、諸先輩方から色々吸収していく姿勢はありそう。ぜひ成長に繋げて、久々にマリノス生え抜きの高卒CBとして大成してほしい。
朴訥な笑顔が実にかわいい。チーム内ではデ・ブライネに似てると言われてあだ名がケヴィンとなる。映画のモブ顔ってことか なお本家ケヴィン・デ・ブライネは同僚のジンチェンコとも似てると言われているため、下記の等式が成り立つ。
平井駿輔≒デ・ブライネ≒ジンチェンコ
つまり我々はデ・ブライネを得たわけだ。やったね!
DF 33 和田拓也(和田プロ)
Embed from Getty Images170cm/30歳
元々両サイドこなすSBだが去年からはボランチとして根強い指示を得るセクシーコマンドー。「相手の嫌がる位置をとりにいくことを考えてる」と本人が語る(いつぞやのインスタストーリー)ように、とことこ歩いて味方にとってはありがたい、けど相手にとっては捕まえにくい位置取りを常に探しながら、パスで相手を動かせる稀有な存在。気付いた時にはもうアシストをキメている。時すでにセクシー。
去年選手の声がよく聞こえるようになってわかったが、和田プロはとにかくしゃべる。特に立ち位置の指示が多い。若い選手たちが立ち位置に迷う場合は「今入れ!(高音)」などとスペースの使い方を指示してくれる。プレーだけでなく姿勢でもポゼッションを円滑化してくれる姿勢には感謝せざるを得ない。セクシーサンキュー。
だがそんなセクシーの伝道師和田プロもフィジカルやスピードで真っ向勝負されると厳しい。当人はそれが露呈しないよう努めているが、SBの時同様、横から身体を当てられたりヨーイドンでかけっこを強いられるとかなりの確率で負ける。そのためアンカーにすると彼の両脇のカバーは必須だ。ていうか動いてボールを触りながらテンポを作る選手なので、アンカーで固定すると良さが減る気がする…(追記:とか言ってたらWB…だと…!?だがWBでありながらWBではないらしい。ベリービューティセクシー。)
そんな明確なデメリットを知ってもなお、チームメイトは彼にボールを預けるし、サポは彼ならブロックを崩せるんじゃないかと期待する。可変システムではキーマンにもなりそうだ。今年もフットボール界のセロトニンこと和田プロのセクシーに酔い痴れたい。
「ゆるいキャラだと認知されている」「その割に陰でエ○いだなんだと言われている」のは自覚があるらしい。ピッチ内でよく話すが、実はオフザピッチでもおしゃべりと会報誌で判明。あとオフシーズンにたまーに愛娘との一幕をインスタで公開してくれる。実にかわいい(父娘ともに)。
DF 36 角田涼太郎(ツノ、りょうたろさん)
Embed from Getty Images181cm/21歳
「純粋にマリノスのサッカーがしたいと思えたんです」と語ってトリコロールの門を叩いた大学No.1CB。
筑波大に在学はしているが、今夏から部活を退部して前倒しの形でマリノスのトップチームに合流することになった。異例とも言える決断の経緯は、この記事が詳しい。
特徴は左利きであることも去ることながら、遠くを見通す視野の広さ。
偉大なる先人畠中のようにズバッと相手の守備網の隙間を射抜くパスはもちろん、遠くの選手にピタリと届けるロングキックも見せる。それも全て空間を認識する感覚に優れているからだと筆者は思う。CBやGKが攻撃の初手を担うマリノスにおいて、その特徴は唯一無二の武器として輝くはず。
それを証拠付けるのが、特別指定選手(内定付きのインターン的なやつ)として参加していた去年のアウェイFC東京戦でのウォーミングアップだった。ボール回しの練習でりょうたろさんはプロの先輩たち相手にも取られることなくスムーズにボールを動かせていたのだ。「左利きCB」というラベリングだけが一人歩きしがちだが、その情報収集能力の高さも必見だ。
ちなみに左利きの選手を左のCBに置くメリットを筆者なりに描いたので、よければこちらも参照されたし。
一方、プロのフィジカルや間合いへの順応は対応中といった様子。本人も課題を口にしている。
筑波大の前は群馬の前橋育英高校で名を上げたりょうたろさん。同校のOBにはマリノスのレジェンド故松田直樹さんがいる。松田さんの没後10年となる今年、同じく前育出身のりょうたろさんがマリノスにやってきたことは、偶然かもしれないが運命的なものすら感じさせる。
破天荒だった背番号3とは異なり、36番を背負うこの若者は謙虚で大人しいイメージだが、偉大なる先輩同様に野望は大きい。マリノスのサッカーを変えうるそのポテンシャルは、早々に今年花開いてもなんらおかしくはない。
Twitterの過去投稿を少し漁ればわかるように乃木坂46のファン。
いやこの愛し方は「ヲタク」と呼んで差し支えない。過去投稿からの傾向を見る限りはかっきーこと賀喜遥香推し。LINEライブで「乃木坂好きなの?」と栗原勇蔵CCに聞かれた時も「ええ、まあ割と」くらいの返答をしていた辺り、逆にガチっぽさが漂う。
ぜひ照れや迷いを振り切ってついうっかりどこかでめっちゃ熱弁して欲しい。「ヲタは隠してもバレる」ということは、横浜どころか日本を担い得る逸材にむけて、一介のサラリーマンたる筆者が捧げられる唯一のアドバイスである。
ティーラトンの写真が實藤になっていませんか?
ごめんなさい、再読み込みしたら正しくティーラトンの写真がでてきました。
失礼しました