どうも、「シーズン開幕の締め切りに怯える選手名鑑芸人」系マリサポのお市です。今年もこの季節がやってきました。よく言えばファン・サポーター目線、悪く言えば独善的かつ主観的な選手名鑑のお時間です。正直レビューやプレビューよりテンションが高いのは否定できません。
ただ今回はとにかく人が多い!そして時間がない!前置きはほどほどにして本編いきましょう。まずはコーチングスタッフから!
※()内は当ブログ内で勝手に呼んでいる愛称です。公式とは異なるものもありますのでご注意ください。
目次
監督:アンジェ・ポステコグルー(ボス)
Embed from Getty Images去年は無冠に終わったものの「ウォーキングデッドの世界にぶち込んでも生きてそうなJリーグ監督ランキング」なら優勝争いは確実なオーストラリアの熊さん。好物は畜生プレッシング、嫌いなものはノリで入れた縦パス。
トンデモアタッキングフットボールを標榜し、一昨年はシャーレをもたらしたボスもついに4年目。実は4年間フルシーズン続けて指揮した監督となれば、マリノス史上初となり、史上最長政権となる(FootballGEIST参照)。
「移籍市場は複雑怪奇」なのは今シーズンもよーーーーーく思い知ったので断言はできないが、筆者は集大成となるシーズンと見ている。
そんな今年のボスの2021シーズンは、反省から始まった。
「昨季2020シーズンは試合数が多かったので、怪我を避けるためにスタメンや戦術に多く変更を加えた。けれどそれはむしろマイナスに働いてしまった。」
「だから今年は変えない。連戦でも耐えられるようにする。」
去年連戦の中で最適解を模索しながら陣形に多く手を入れたが、今年はそれをあまりやらないようにする、といった意味だろう。
ただ夏の大移動に伴う最適解探し→ラボ回は大いにありうるので「あの時変えないって言ったじゃない!嘘つき!」となるほど信じ込みすぎず、「フットボールではあらゆる事が起こりうる。何が起こるか見てみようじゃないか。」の精神で大きく構えていきたいところ。
そんなアンジェマリノス2021年初試合は3-3-1-3(アンカー+2WB+トップ下)だったことは衝撃をもって報じられた。4-2-3-1、4-3-3を中心に戦ってきた過去3年を思うと大幅な変更に見える。


とはいえ4-3-3のWGで活きる選手が2019ほどいなさそう、計6人のCBを抱える現状を思えばあんまり驚きはないかもしれない。
つまり、(好意的に受け取れば)フォーメーションから逆算して人選を考えるフェーズから、特徴のある選手の顔ぶれからスタート位置だけ決めるフェーズにきたのだ。昨季連敗の憂き目に遭いながらもいろいろ模索した日々はつまり種蒔き、スカッドを整えキャンプで仕込み改めて挑むこの2021こそが収穫だったのだ!ΩΩΩ<な、なんだってー!?
カンセロを魔改造して全盛期兵藤慎剛も真っ青のヒートマップを仕上げたCFGの親玉マンチェスターシティよろしく、横浜支店でも「なんで今こいつがこんなところにいるんだ」が多発するだろう。たぶん。きっと。いや知らんけど。
なぜそんな事象が起きるのか考えながら観る層にとっては今年も退屈しなさそうだ。覚悟せよJサポマッチレビュー部!(筆者も覚悟してます)
ただユニークかつ斬新なスタイルをすれば、必ずしも結果につながるわけではない。そんな残酷な事実はここ数年で痛感してきた。結果は否が応でも求められる。
ましてや編成部は今年も人さらい人材確保に余念がなかった。2桁ゴールを決めた選手2人を引っこ抜かれた代償こそあれど、アンジェチルドレンとも言えそうな長い付き合いの選手は多く残留。2年越しの恋も成就させ、+αをもたらせそうなブラジリアンもやってきた。限られた予算の中での仕事をやりきったといえよう。
スカッドを整え調練し培ってきたスピードとテクニック、それを活かせる最適解を早々に求め、結果を追求できるか。アンジェマリノスの集大成に乞うご期待。
ヘッドコーチ:ジョン・ハッチンソン(ジョンコーチ) NEW!!
Embed from Getty Images元マルタ代表、UEFAのAライセンス持ち、MLSの強豪シアトル・サウンダーズのコーチ経験あり。経歴は過去のヘッドコーチ陣でも屈指のオーストラリア人コーチが、新たにボスの右腕となる。
「僕もあなた同様、海外で働いてます。アドバイスください。」とメールをしたところからボスとの縁が始まり、50分ほど電話して日本行きを即決する豪胆な御仁。すっかりボスに洗の…じゃなかった心酔してるご様子。詳細は筆者がしょぼい語学力で翻訳したこちらをご参照ください。
ただボスという喋りたがらない絶対軸がいるマリノスの中では、ヘッドコーチとしても求められる仕事は異なるだろう。ピーターのようにボスとイチャイch…じゃなくて長く共に働いて互いに理解し合った関係性ではないジョンコーチはどう立ち回るか。紛れもなくアンジェマリノスの4年目の進化と深化のキーマンの1人として期待がかかる。
そんな中、新FWレオやスピロスフィジコ共々2/15現在まだチームには合流できていないのは正直痛い。WebExでのミーティングでの関与が主になるだろうが、遠慮なくガツガツ既存のサッカーにメスを入れていって欲しい。口答えされたら「お?そんなクチきいていいんか?我UEFAライセンス持ちぞ?元代表ぞ?」と経歴で殴りに行こう。
ちなみに去年の7月からツイッターを始めたらしい。息子くんが美形。
アシスタントコーチ:ショーン・オントン(ショーンコーチ、Onちゃん)
ゴルゴ松本感がある見た目のコーチ。今年で2年目。鳥かご(ロンド)の脇でギャンギャン声出してる人。去年の練習開幕前しか見てないので正直それ以上はわからん…などと言ってる場合ではなくなった。
ジョンコーチ、スピロスフィジコが来日・合流できないので、キャンプ中の練習の陣頭指揮をショーンコーチがとらねばならなくなったのだ。にわかに聞こえてくる「新戦術」なるものの浸透具合を左右するキーパーソンの1人となったショーンコーチ。声はめっちゃ出るのは去年わかったので、トレーニングメニューの考案はもちろんのこと、練習の雰囲気をここは戸塚ヨットスクールかってくらいの温度感で盛り上げてほしい。ムゥゥゥウブ‼︎︎︎︎︎︎︎︎︎‼‼ゴォウゴォウゴォウ‼︎︎︎︎︎︎︎︎︎‼‼
あと2018から長らくマリノスコーチ陣の最大与党だったボスの元同僚or元教え子枠もついにショーンコーチのみとなった。「漢は黙って波状攻撃」のアンジェイズムの理解度という意味ではショーンコーチが一番かもしれないので、チームでも存在感を増してほしい。あと知り合いが減ってボスもああ見えてきっとしょんぼりしてるだろうから、慰めてあげてほしい。
アシスタントコーチ:大島秀夫(オオシ) NEW!!
正直耐え難かった。モンバエルツ政権は愚か、育成からマリノスを知り尽くした松橋力蔵コーチが新潟へと旅立ってしまったのだ。
ユースチンピラの筆者はその時代を存じ上げないが育成年代の指導者としても、マリノスを支え続けてくれた近年屈指の功労者だったリキさんの進路に幸多からんことを。
その後釜として白羽の矢が立ったのは、2000年代のマリノスを支えたオオシこと大島秀夫コーチだった。恐らく最後まで参加を検討していたエリートリーグ(本当にあるんか)の関係での就任かと思うが、形はどうあれかつて夢と語ったトップチームのコーチに晴れて就任である。オオシ、おめでとう!そんなオオシがプロ生活とそのなかで指導者として目覚めていく過程を語った名記事がこちら。なんだろうなあ、オオシはJ1で日本人得点王に輝いた男なのに、苦労人としての側面がかなり強いのか陰を帯びた感じあるよなあ。
とはいえ夢という響きに反して泥臭い仕事も多いかと推測する。日本人選手にとっては数少ない日本語が通じるコーチとなるため、愚痴聞き役的な立ち回りも求められるはず。なかなかな役回りかもしれないが、ぜひ頑張ってほしい。あと手始めにオナとレオにポストプレーを叩き込んでほしい。
GKコーチ:松永成立(シゲさん)
Embed from Getty Imagesgettyimages、お前なんでこんな泣ける絵しか持ってねえんだよ…涙が止まらねえじゃねえかよぉ…
ぐすん、、、失礼しました。マリノスのゴールマウスの舞台裏には必ずこの人あり。バリトンボイス、クラブの動画をして「鬼」と言わしめる指導力、お茶目さを兼ね備えた名コーチが今年もマリノスのGK陣をシゴk…指導する。
特技は試合前のGK練で見せる弾丸ミドルと若手いぢり。嫌いなのは自分のキックミス。いつだったか三ツ沢でクロスに納得がいかず舌打ちするとこを間近で目撃したが超怖い。一昨年優勝した時にはマリノスとして初のタイトルを獲得し、鬼はどこへやらウキウキおじちゃん化。
これをいじった者はすべからく横浜港の藻屑と果てた説もあるが、サポとしてはぜひまたお目にかかりたい。シゲさんにシャーレを。何度でもシャーレを。今年のキーパー陣を見渡すと、2019に途中加入したウッズ中林がマリノス歴最長で、シゲさんメソッドをよく知る子飼いの飯倉やパギはいない。ただ逆に言えばシゲさん色に染める余地のある選手ばかりということでもある。だからなのかウッズさん情報では「キャンプのシゲさん楽しそう」らしい。去年は飛び出しのスキルがかなり属人的だった側面もあったので、ここは特に平準化してほしい。
そんなシゲさんのGKメソッドが記された聖書ともいえる一冊があるので詳しくはこちらをご参照ください。保存用、実用用、鑑賞用の3点お買い求めください。
アシスタントGKコーチ:榎本哲也(テツ)
オオシ共々、恐らくエリートリーグで入っていたのでは?な枠ではあるが、晴れてマリノスへの帰還を果たしたかつての守護神。2018シーズン前に袂を分かった彼の入閣に眉をひそめる人もいるかもしれないが、シゲさんメソッドを引き継いだ者の帰還は今後のマリノスを考えても大きいはず。
ただし、単なる先行投資としてポストを与えたわけではなさそうだ。シゲさんも「テツがサポートしてくれるおかげで練習のバリエーションが増えた」と語るように、5人のGKたちを2人のコーチがみる手厚い体制は、またしてもリーグでも屈指の失点過多に陥った守備の改善に期待が持てる。また選手と歳の近いテツは、うまくいかない時の相談役としても機能してくれるのではなかろうか。ほら早速デモンストレーションで錆びつかぬキャッチングを見せつけt…って何してんねんカジージャス。
マリノスのキーパーは足元ばかりがフィーチャーされがちだが、守備範囲の広さも肝になる。GK陣の長老格といえるウッズと共に若いキーパー陣を盛り立て、引き上げて欲しい。あ、フィードは教えなくても大丈夫っす。
フィジカルコーチ:スピロス・トゥジアラキス(スピロスフィジコ) NEW!!
異色の経歴を持つギリシャ人コーチ。まだ来日はできていない。CFGと双璧を成す世界的サッカーグループ、レッドブルグループに籍を置いたこともある。たまーにJリーグに流れてくる履歴書の質的優位で殴れるタイプのコーチ。そういやエリク政権下のフィジコのマルレスさんもすごい経歴だったなあ。CFG経由で流れてくるケースもあるけど、結構中超から流れてくるケースもある気がする。スピロスフィジコもその1人。
当時の監督はロジャー・シュミットやアディ・ヒュッターといった一線級の監督ばかり。また人材確保にも携わっておりアジア市場に目を向けていたらしく、奥川の獲得にも関わったとのこと。
その後中国に渡るとアンダー代表チームにコーチとして参画。「英語の話せるやつはどこじゃあああ」とブチギレたり、揚げ物中心の中国の食文化に「オーブンはどこじゃあああ」とブチギレたりしながらも甲斐甲斐しく働いてたらしい。食にも関与していこうとするガチっぷりはまさにエスナイデr…ヴェンゲルのごとし。
その後中国の遼寧でアシスタントコーチ兼フィジコとして5ヶ月働いたが辞職。半年フリーだったところを引き入れた。これでスピロスフィジコはボス政権下で働く外国籍コーチでは初めてオーストラリア外からの参画となった。
経歴を見てもわかるように、分析担当から副監督までフィジコ以外も担当した多芸な人なので、フィジカルトレーナーとしての色が強そうだったグレッグやダミアンとは異なるかもしれない。
ターンオーバーは少なくするとボスが明言したとなると、トレーニング時の負荷調整はかなり重要。鬼畜プレッシングを代名詞とするRBイズムを知るスピロスフィジコの腕前が試される。「今のスプリント、RB的にはありえないんで。そんなんじゃ翼、授かれないんで。」的な感じでドヤり散らかして欲しい。
コンディショニングコーチ:田中章博(田中コーチ)
昨年やってきた神戸で古橋を肩痛から救ったとされる名トレーナー。今年も留任。去年は神戸方面から田中コーチの離脱は痛恨だったという声もちらほら聞こえてきた。
去年目立った怪我人がテルくらいだったのは田中コーチのおかげかも。今年も「三度の飯よりスプリント」なサッカーなのは確実だが、去年みたいなクソ日程じゃないので、怪我人ゼロは無理でもリスク軽減は頑張って欲しい。
チーフアナリスト:岡田悟(岡田分析官)
杉崎分析官、退団。分析ソフトの扱いに長け、長くマリノスで選手と関係性を築いてきたであろう杉崎さんの穴は決して小さくない。
この大きな穴を埋めるべくマリノスは人数をかける選択をし、(公表してるなかでは恐らく)Jで初めてアナリスト3人を抱えるクラブとなった。そう、アナリストの「チーム」ができるわけだ。「アナリストチームが言うには…」とかそんな話がミーティングで飛び交うのだ。かっちょいい。
だが響きがかっちょよくてもチームとして機能しなければ、勝てなければ評価されないプロスポーツの世界。岡田分析官には若いアナリストチームのまとめ役として、そして唯一去年マリノスのアナリストとして杉崎分析官の隣で働いた者として、ぜひぜひ奮闘していただき相手の手口をすっぽんぽんにしていただきたい。バックスタッフの中でも影のキーマンたり得る1人。
アナリスト:山口潤(山口分析官) NEW!!
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元・FC東京育成コーチの経歴を持つアナリスト。育成年代から生粋のトーキョーっ子らしく、プレーヤー時代はFWだったもよう。一学年下に武藤嘉紀、二学年下に橋本拳人がいるらしい。
そこから早大を経て、アメリカのフロリダ州立大学女子サッカー部で3シーズンを過ごした国際派。トーキョーの育成担当の頃には「今度こそ本当の意味でお世話になったクラブであるFC東京に恩返しをするため」とトーキョーユース893なら感涙の一言を述べていたが、構わず強奪。ここ2,3年で我が軍はすっかり人さらいとしての所作が板についてきて何より。
FZKM(古巣絶対殺すマン)水沼宏太と同様に、トーキョー退治に一役買ってくれると実に助かる。手始めにケンタ式4-4-2の殴り方を説いて回って今年こそダブルさせて欲しい。
アナリスト:安井聡志(安井分析官) NEW!!
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天皇杯で出てきてはJクラブに屈辱を与えることでお馴染みの鹿屋体育大学卒。プレーヤー時代はGKだったみたい。その後筑波大の大学院に入ったようで、その時の研究テーマは「サッカーにおけるゴールキーパーのブレイクアウェイ難易度の定量化」ちなみにブレイクアウェイとはゴールキーパーが前方に飛び出して、ボールを処理することらしい。アンジェマリノスに入閣するためのような研究テーマじゃないか…!
卒業後去年からジェフの分析官を務めていたところをこれまた強奪。ユン・ジョンファンのサッカーとはほぼ真逆なサッカーだが、「俺の定量評価から言えば今のお前なら飛び出しても失点する可能性は0.0000000001%だ。気にせず突っ込め」と謎データをちらつかせてバンバンGKをハイライン裏に駆り出し、横浜で夢を叶えて欲しい。
メディカルや通訳さんも書きたかったが、スタッフ編はここまで!