どこよりも主観的な横浜F・マリノス2020シーズン選手名鑑_後編

FW

#9:マルコス・ジュニオール(クリリン、聖マルコス)

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昨季Jリーグ初挑戦にして得点王を射止めた「地球人最強の男」。かなりドラゴンボール愛好家だがパッと見がクリリンに似てるだけであって、別にクリリンが一番好きなわけじゃないらしい。ゴールセレブレーションはかめはめ波とか気円斬とか元気玉とか色々やる。

試合中「シャバを荒らした他組の構成員を始末しにきた武闘派」みたいな目をしてたり、ゴールセレブレーションがアレなので他サポからはチャラい選手に見られがちだが、ものっっっっすごく真面目である。日本語も率先して覚えようとするし、オフでも自主練に早々と入って筋トレに励み、ピッチ上でも終盤でも歯を食いしばってフルスプリントする。そんなMr.ストイックな部分が評価されたか、今季からはキャプテンを務めることになった。

昨季はLWGからスタートしたが、タッチライン際で張れずに痺れを切らしまくってWGの務めを果たしきれたとは言い切れなかった。転機は中央にポジションを移してから。ホーム鹿島戦でCFに据えられて結果を残すと、4-2-3-1のトップ下を任されてからはまさに無双状態。ライン間で受けてチャンスメイクしてよし、ちょっとタイミング遅らせてエリアに入ってフィニッシャーになってよし。現代的なトップ下に求められる仕事を概ねこなしてくれた。

リーグ戦終盤になるとマークが厳しくなってきたが、それを利用してマーカーを引きつける動きも多用。テルやマテや渓太といったWG、さらには健さんやブンちゃんといった内寄りのポジショニングをするSBがのびのびプレーできたのも、クリリンが我を捨てて囮に徹したからとも言える。

キャプテンに就任して早々「調子こいとるヤツおったらバンバンシバいたるで 去年、優勝したからといって、それで満足している選手がいたら、僕がプッシュしていく」と引き締め役を買って出るコメントを残したクリリン。新シーズンに向けて気合いは十分。昨季終盤は我を捨てる役割と疲労の蓄積でPK以外での得点は無かった。ホーム磐田戦のような「得点もとるしチャンスメイクもするしマークも引きつける」ハイパフォーマンスをどれだけ記録できるかがマリノス連覇の鍵となるはずだ。

 

#17:エリキ(えりりん)

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とにかくよく笑う陽気なブラジリアンストライカー。昨季はCFでプレスの急先鋒として活躍したが、練習試合の並びを見ると今季はWGでプレーする機会が多そう。

対面の相手を強制的にぶっちぎるスピード、アジリティ、シュートセンスが持ち味な、質的優位を約束してくれるアタッカー。良くも悪くも何をするかわからない。「その姿勢からどうやったら加速できるんだ」という身体の無理の効きっぷりと、身体の使い方の上手さがベースにあるのではなかろうか。
さすがにやりすぎってくらいにプレスを頑張ってくれる選手でもあり、フィジカルと身体の使い方の上手さを活かして独力でボールを奪える。ザルツブルクとかレッドブル系列のチームでもやっていけると思う。(サポ特有の過大評価)

とはいえプレスを頑張りすぎて背後のスペースをばっちり空けてしまったり、反対にクロスが入った時にニアサイドに突っ込まずにいて喜田名人と健さんに「「今のは入れよ!」」って総ツッコミ食らったり、プレーのムラっ気は否めない。(まあエジやクリリンは出来すぎで、えりりんはブラジリアンアタッカーとしては普通のメンタリティなのかもしれないが。)
そんな中でもボスはそのチートじみた能力を買って、タッチライン際でブチギレながらもひたすら使い続けてえりりんをフィットさせた。アウェイ名古屋戦のボスとか高血圧で倒れんじゃねえかってくらいキレてた。

タイトルのかかった昨季終盤の爆発的なスプリントやチームのためのボールキープは、まさにフォアザチームの鑑だった。ではシーズンの始め頃はどうなるか。また苦しくて結果の出ない時はどうなるか。露骨にモチベーションを失ってプレー強度が下がらないことを切に祈る。

インタビューを見ても表現がとにかくオーバー。全部「おいしいー!」って言いそうなのでグルメレポとかは向かないのではと勝手に思っている。根っからのパリピかと思いきや少年時代は貧しい日々を過ごしたもよう。貧しい日々を過ごしたからこそ、「怒りや苛立ち、不満といった感情よりも、とにかくポジティブに過ごしたい」とのこと。そういう話はおじさんの涙腺によくないからやめなさい。

 

#23:仲川輝人(テル)

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昨季リーグMVPにして得点王「あとベストイレブンっス」。もはやマリノスどころかリーグの顔役になったトリコロールのエース。とにかく速い。恐ろしく速い。おそらく小中高と100m走で負けたことはないだろうと思うくらい速いし加速もスムーズ。その速さゆえ「ハマのGT-R」のあだ名がついた、、、と思いきやMVPのご褒美としてGT-Rをもらえることに。「願望は言ってみるもの」という人生訓をその身をもって我々に教えてくれた。

昨季は見事飛躍のシーズンとなったが、得点数をグッと増やせた理由の1つに左足でのシュート精度の向上があるだろう。元々フリーでエリアに入ってクロスに合わせる得点パターンはあったが、今年はそこに「カットインして左足でシュート」という武器が追加された。それは皆さんごいっしょに。仲川の左足ィィイイイイイイ!!!!(cv.下田恒幸)

得点王なのでゴールばかり目がいきがちだが、昨シーズンからしこたま試みてきた縦突破からの右足クロスにも向上が見られる。結果的にはあと一息で2桁アシストには届かなかったが、生粋のストライカーであるエジの稼働率が下がらなければ、夢の10G10Aも大いにあり得たはずだ。

国内では向かう所敵なしとなったテルだが、代表の舞台では慣れないシャドーの役割を任されたこともあって輝けなかった。ACLでもJリーグ同様に相手DFを手玉に取れたなら、アジア予選を戦う日本代表の線はまた見えてくるかもしれない。
だが、あくまで個人的な話を言えば、今は代表ユニのテルよりも、トリコロールをまとってアジアの強豪をザクザク切り崩すテルのが見てみたい。23得点狙うと公言しているようなので、今年もエースとして怪我なく1年活躍よろしくお願いします。

ここぞの試合での集中力や事細かにルーティンを決めるプロ意識で知られる一方で、イタズラの常習犯の側面もある。キャンプのアイスバスに氷を投下して高野の躍動感溢れるショットを提供したりしてる。またタカ曰く「いつもだいたい眠そうにしてる」。子どもか。

「23にちなんだゴールパフォーマンスを」と考えてたみたいだが、2/7時点ゴールパフォーマンスはまだ決まってない。進 捗 ど う で す か

 

#30:エジガル・ジュニオ (エジ)

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朴訥な笑顔が印象的なブラジリアンストライカー。昨季終了までのレンタルだったが、晴れてレンタル期間を延長した。「エリキがいるからエジとはお別れかな」なんて腑抜けたことを言っていたが、まさかの両方とも残留。これで前線の陣容は厚みを損なわずにいられそうだ。ありがとう編成部の皆さん、本当にありがとう。

伊藤翔移籍に伴い半ばスクランブル補強のような形でやってきたエジが、16試合11ゴールと立派な成績を残すだなんて誰が考えただろうか。白状すると筆者は「7点とれればいいか」くらいに高をくくってた。エジ、本当にすまぬ。

トータルバランスに優れたCFで、欠かさずニアポストに詰めて潰れ役も買って出るし、クロスを点で合わせて点もとれるし、秀逸な腕と腰の使い方でボールキープしてくれるし、前線からの守備も「突っ込みすぎない程度に」きっちりやってくれる。ヨーロッパでのプレー経験が無いのが嘘みたいに規律に則ってプレーできる稀有なファーストトップ。
圧巻だったのはホーム松本戦のこの一撃。大津兄貴魂のアシストも見所だが、エリア内で後ろ向きのボールをめっちゃトラップして相手を背負ったままコントロールショット。そんなんできひんやん、普通。

点は取れるわタメも作れるわプレスも上手いわと非の打ち所のないエジだが、この仕事ぶりが1シーズン通してできるなら日本には来ない。怪我がちな体質は否めず、シーズン後半を棒に振った左足の骨折含めて3週間以上の怪我が2回あった。そのたびにチームは「エジガル・ロス」に悩まされては回避策を考える羽目になっていたので、今シーズンはとにかく無病息災を祈りたい。

嘘か真か、オフィシャルマガジン『TRICOLORE』では、マリノス入りの前から日本行きを検討していたようなコメントもあった。憧れだった日本、それも慣れ親しんだ横浜で来年以降もプレーしないか。芝生ツアーに参加した時には終始にこやかで、締めのコメントを求められた時も上手く伝えようと身振り手振りをつけて皆に語りかけてくる姿が印象的だった。

チーム内でも「いい人」で通ってるようで、大津兄貴は「ブラジルのキー坊」と評した。どれだけいい人かは5月に行われた彼の誕生日パーティの出席率を見ればわかる。いくらなんでも人望がありすぎる。

 

#45:オナイウ阿道(アド、オナ) NEW

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2019年12月23日、マリサポTLはオナイケの炎に包まれた!

うおおおおおおおおおおおお!オナーーーーーーーーーー!オナキターーーーーーーーーー!

まあ、筆者のようなツイッター芸人はともかく、自分の贔屓クラブに「昨シーズン2桁得点の現役日本代表CFが加入」というニュースはテンションが上がって然るべきだと思う。日本代表FWがマリノスに移籍してくるっていつぶりだろ…

特筆すべきはやはりその身体能力。ナイジェリア系ハーフなだけあって、身のこなしは日本人離れしている。トップスピード速いし方向転換キレキレだし身体を当てればボールキープできるしジャンプの最高到達点めっちゃ高い。ぱっと見ですごさが伝わりやすい野性味溢れるストライカーである。だから筆者が四の五の言うよりゴールを見てもらった方がいいと思う。

これがめっちゃシュート強いオナイウ。

これがめっちゃクロスに合わせるオナイウ。

これがめっちゃ跳ぶオナイウ。

ね、わけわかんないでしょ?

浦和時代まではそのチートじみた身体能力を持て余し気味だったが、山口で霜田監督にCFを任されて覚醒。翌年大分で片野坂監督にシャドーでも使われるようになり、「人を使う」プレーにも磨きがかかった。「Jリーグのジェイミー・ヴァーディ」こと藤本憲明が神戸に抜かれたあとはファーストトップに。裏に抜けたりワンタッチで合わせる「9番」らしいプレーもレベルが上がった。日進月歩で成長を続けるオナに関しては、山口時代を知る有識者(っていうかジェイさん @RMJ_muga )も「もうすでに我々の知っているヤツではない」旨のコメントを残す。

実際、練習を見てみると、もはやマリノス名物となったハイスピードロンド(輪オニ、鳥かご)でも問題なさそうについていってた。「繋げない者、即時奪回をサボるもの、これを処す」な片野坂トリニータ(※個人の印象です)で鍛え上げられただけはある。
あとはびっくり人間揃いの前線でどこまで周りに認められ、要求しあえるか。キャンプでも好アピールを続けられたみたいなので、エジやエリキといった実力者に挑戦状を叩きつけて欲しい。

もはやネット上では「オナイケおじさん」がアメーバのごとく増殖を続けているが、本人推奨のあだ名は「アド」である。だがそれでも僕らは、こう叫ばずにはいられないだろう。「オナイケーーーーーーー!!!」と。

 

これでおしまい!長々と失礼しました。連覇して喜田名人また泣かせような!

<この項・了>

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