どうも、「家系ラーメンは味濃いめ・麺硬め・脂少なめ原理主義者」系マリサポのお市です。脂多めだと味が楽しめないので少なめ。
さあさ、長かった選手名鑑もこれでラストです。今回はMF・FW分です。
ちなみにコーチ・GK分はこちら。
DF・MF(一部)分はこちら。
目次
MF
#8:喜田拓也(キー坊、喜田名人)
昨季のキャプテンにして、本誌選定敢闘賞。勇蔵船長の勇退に伴い、気付いたら26歳にしてマリノス最古参の選手になった。何気にモンバエルツ政権1年目(2015シーズン)を知っている選手は、喜田名人のみなのかと思うと陣容の様変わりっぷりをしみじみ感じる。喜田名人の昨シーズン個人マニフェスト「その汗に伝統は宿る」は今シーズンいっそう意義深いものになるのだろう。
昨季の喜田名人は出色の出来だった。しんちゃん同様練習試合でレギュラーを奪うと、終わってみれば警告で出場停止となったアウェイ仙台戦をのぞいて全ゲームに出場した。元々武器にしていたボール奪取能力に加え、課題視されていたオンザボールでも貢献度がぐっと上昇。タカのような高精度ロングパスこそ期待できないものの、パススピードやタッチの精度をぐっと上げてショートパスの要衝となった。
アンカーとしてプレーしていた時はもちろん、マルコスシステム(4-3-2-1)を導入してボランチの片割れになっても喜田名人は危険視された。被ファウル数リーグトップ3に食い込んだ事実が、相手チームが彼を警戒した何よりの証だろう。
いよいよリーグトップクラスの万能ボランチへと成長した喜田名人。キャプテンマークも試合前の円陣での「行くぞ!」の声かけも板についてきた。あとはミドルシュートやラスト30m以後のラストパスを実装してくれれば、攻撃への貢献も増して相手が無視できなくなってくるはず。昨季のようにそっとカウンターに備えてポジショニングしてくれるのは本当にありがたいが、ここまで成長されたら見る側の欲は抑えきれない。ゴールを演出したり点を奪う喜田名人もぜひ見たい。さらにスケールアップした喜田名人と共にまた最高のフィナーレを迎えたい。見飽きるくらい優勝の景色を見ていこうじゃないか。
完璧超人すぎて近寄りがたいキャプテンかと思いきや、チーム内屈指のいじられキャラである。流石に去年はやりすぎだったからか「#今日の喜田さん」は少なめだった。けどカメラを向けるとすげー嫌そうな顔で想像以上のコメントが返ってくる。流石は気遣いの天才。気遣いができてメンタルがめちゃくちゃ男前なので、絶対いい家庭を築けると思う。
弱点は高いところ。優勝記念マカオ旅行の観覧車は乗れずに地上から見送った。
#11:遠藤渓太(ケイタ)
昨季本誌選定シックスマン賞。昨季までFW登録だったけど今季はなぜかMF登録。深い意味はなさそうだけど。昨季ついに覚醒の糸口を掴んだ「全マリサポの息子」。そのプレーやテレビ出演時の曲がったネクタイを見たら最後、(家族の有無に限らず)マリサポたちの母性/父性は否応無しに呼び起こされる…その放っとけない魅力に取り憑かれたと思ったなら、「遠藤渓太保護者会」の門を叩きましょう。
いっしょにプレーする選手たちにも可愛がられているもよう。大津兄貴曰く「ゆとりが生んだモンスター」であり、気遣いなど後輩力の低さを指摘されがちだが、めっちゃ可愛がられていることの証だろう。
オンザピッチでは、気がつけばある程度計算が立つ選手として認知されるようになった。対面の相手を独力で剥がすシーンも少しずつ増えてきた。マテウスが名古屋に帰っても、WGの新助っ人が来なくても、渓太がいるからだいじょーぶ。
両足から精度の高いクロスをねじ込めたり、試合終盤でもスプリントできたりと特徴はステレオタイプなWGっぽい。だが渓太の最大の魅力は、スプリントをしながらでもボールを運びながらでも周りが見えていることだと思う。
この令和初ゴールでも渓太の「見えてる男」っぷりが伺える。自分にマークが2枚くっついていることを見計らって、マルコスとテルへのパスコースができるように走っている。単にボールを受けたいだけなら、斜めに走る必要はない。けれど外から中へ走ることでマルコスをフリーにしている。単なる快速自慢のWGに止まらない魅力が渓太にはある。攻撃が煮詰まっても、道筋は渓太が作るからだいじょーぶ。
「見えているし考えられる」非・脳筋系WGは、質的優位をコンスタントに保持できるエリキとのレギュラー争いに挑む。独力で剥がす能力はライバルのが上かもしれないが、ブンちゃんやタカ、マルコスといった周囲の良さを引き出せるのは間違いなく優位点。このポジション争いも糧にしてさらに成長してほしい。渓太ならだいじょーぶ。
#18:水沼宏太(コウタ、ミズヌマ・ジュニオール) NEW
「マリノスが(点をとらせて)育てた」筆頭のトラウマメイカーがまさかまさかの帰郷。もうツイ消しされているので探せないが、去り際の捨て台詞が割とアレだったみたいでマリサポの中には複雑な心境の人も。もっとも本人も「2度と行くか」と思って出て行った古巣に帰るのは予想外だったみたいだ。
「会えない時間が愛を育てるのさ」と郷ひろみも言ってるように、マリノスを離れている間に水沼宏太にも何か心境の変化があったんだと思う。出場機会に恵まれずにマリノスを出ていった20歳弱の若人は、いつしか三十路前の立派な大人になった。考えが変わるには十分すぎるほどの時間が経った。なかなか消化しきれない思いをお持ちのマリサポもいらっしゃるだろう。だが弊ブログは、戻ってきた家出少年に「若気の至り、いいえ反抗期ってやつかしら」とカレーを差し出すオカンのような思いで、彼の再挑戦を見守る所存である。
感傷的な話を抜きにすると、今冬のメインターゲットを射止めたと言ってもいいだろう。サイドを主戦場にする彼にテルのようなスピードはない。だが持っている武器はテルと同様に多彩だ。右足のクロスは高精度だし、逆サイドからのクロスに少し遅れて入って点で合わせるストライカーの素養もある。またシュートレンジも広くエリア外からのゴールも多い。
さらには守備強度もあるので、IH起用も視野に入れられる。また位置どりをもってパスワークの基点を作りつつ、相手の嫌がらせをするという点はロティーナが上手く育ててくれたみたいだと安藤記者が言ってた(本当は自分でゲーム見て確認したかったんだけどタイムオーバー。ってか帰ってくるなら先言ってよ予習したのに)。
すっかり若いチームをタカや大津兄貴と引っ張る姿も言われている。若いチームに不足しがちなリーダーシップを補填するにもちょうどいい人選だっただろう。懐疑的な意見も実力次第でひっくり返せることを、プロ生活13年目を迎える水沼宏太は熟知しているはず。結果をもって疑う者を信じる者へ変えられるか。「やっぱ好っきゃねんトリコロール」な男の再挑戦が始まる。
#20:杉本竜士(りゅうじ) NEW
急転直下でやってきたJ2屈指の「突貫小僧」。公開されてないけど小野瀬にフラれた時の次善策だったのではなかろうか。主戦場はLWGだが右利き。めっちゃ左利きっぽいけど実は右利きという名誉レフティの1人。あと目力が強いせいか、なぜかデフォルトでガン飛ばしているように見える。名誉実写版クローズ。
右利きだが左足からのクロスは高精度で、徳島ではワンタッチストライカーの河田とホットラインを形成。ポステコ病罹患者を多く抱えるマリサポが好んでやまない「低め・速め」のクロスを供給できる豊かな内転筋をお持ちである。
だが最大の武器は「爆発力」だろう。あれこれ言葉で説明するよりこちらを見ていただいた方が早いかと。
ギュンって切り返してドカーンって撃ってネットファサー。言葉で語るよりオノマトペで伝えたい印象的なプレーが彼の十八番といえよう。松木安太郎氏に解説してもらいたい男No.1。
真面目に話せば、両足使えて、急加速・急減速で対面の相手をブチ抜けて、ボールタッチもヴェルディユース卒らしく細かいため間受けもいけそう、という大変夢のある選手である。守備の時プレスバックをめっちゃ献身的にやってくれるタイプらしいので、「ボールがあれば何でもできる」とばかりにボール再奪取を行うアンジェイズムでもやっていけるだろう。あとはボールを持たない時に、いかに有効な位置どりができるかが成功の鍵となる。「自信がなかったら(マリノスには)来ていない」と語る突貫小僧は連覇への起爆剤となるか。
あと俳優の竹内涼真さんがヴェルディユースの同期。旧友の活躍にたまに反応する。
#26:渡辺皓太(コウタ、なべこ、ナベ・コウタ)
昨季途中にヴェルディから強奪獲得した五輪世代のボランチ。ヴェルディ生まれロティーナ育ちテクい奴らは大体友達。
テクい奴らと大体同じだが、大きく異なるのはボール非保持時の対人守備。奪われた後の切り替え速度はもちろん、次にボールが出るところを察知してあらかじめ潰す予測もできる。またユース時代を知るコーチをして「豆タンク」と言わしめるように、小柄であることを逆手にとってボールを奪うのは得意中の得意。バケモノクラスのアタッカーうごめくJ1でも出来るか、、、と思ったらあっさりやってのけた。
昨季はボランチの3番手として居場所を確保し、主にリードした展開でマルコスと代わってトップ下を務めるなどクローザーとして活躍。敵も味方も脚が止まりインテンシティがガクッと落ちたところをゴリゴリ走り回ってショートカウンターの機会を演出した。途中加入にも関わらずエリキのように「慣らし運転」期間なしでさらっとボランチの一角を務めるあたり、指揮官のオーダーを理解する賢さを持ち合わせる選手なんだろうと思う。ていうか初J1・初新天地でのゲームの感想が「楽しかった」って大物すぎでは。。。
だが、いわゆる走り過ぎの嫌いが否めず、懸命にプレスに行ったはいいものの周りがついてこれないためスペースを空けてしまうことになり、そこを使われて被決定機…というシーンもいくつかあった。また明確な結果を残すこともあまりできず、最後まで「途中で入れて強度を維持する」担当に終始してしまった印象。
五輪代表入りが懸かった今シーズンこそ、喜田名人やタカに挑戦状を叩きつけてスタメン奪取を狙いたいところ。明確な数字に残る活躍を見せて、盤石のキャプテンコンビに風穴を空けられるか。
昨年8月に元ロアッソ熊本のアンバサダー実紀さんと結婚。大津家ほどではないが、仲睦まじそうに過ごす様子をSNSにそっとアップしてる。末長くもげろ。
#41:仙頭啓矢(セントー、スーパー仙頭)
京都橘高校の2012年選手権準優勝メンバーの1人にして、去年の京都サンガ快進撃の立役者。「仙頭が出して、小屋松(鳥栖に加入)が決める」がテンプレだったが、その仙頭が満を持してのJ1初挑戦である。
プレースタイルは本社勤務の選手でいうと、ベルナルド・シウバに近い。まずボールタッチがブレない。スピードをあげても相手に囲まれても何してもブレない。なのでWGのようにタッチライン際で相手を抜けるし、相手のMF・DF間で受けるのもできる。「IHもできるWGを」という補強方針に一番フィットしてる選手かもしれない。2018年の大津祐樹デ・ブライネ化計画に続いて、仙頭啓矢ベルナルド・シウバ化計画が指導してもなんらおかしくはない…と思ったらCFで使うんかーい。
配置が意外すぎて話がずれた。時を戻そう。
タッチの上手さに加えて去年は数字も残せるようになってきた。J2ではあるが、10G7Aは立派な数字だ。ボール扱いの上手さに加えて、貪欲にシュートまで持っていくようになった結果なのだとか。SPAIAによると、「ドリブルからシュートへ持ち込んだプレーがリーグ1位の31回」とのこと。
J2で数字が残せる選手が次にぶつかる壁が、J1のプレースピードや個人でなんとかしてしまう「人の形はしてるけど完全にバケモノ」というDFだろう。また中田13氏とボスの要求の違いで混乱する可能性すらある。しかもRWGでレギュラーをとろうと思えば、昨年のMVP兼得点王「あとベストイレブンっス」仲川輝人とやり合わねばならない。
だがその辺は外野が言うよりも先に本人が重々承知。「何も持たずに挑戦したわけじゃない」というその言葉通りのインパクトを残し、対面の相手DFにぶぶ漬けを叩きつける働きを期待したい。
片岡愛之助似ともいわれるはんなり公家フェイスだが、キャラは割とハッチャケ系。歌って踊れてライムも踏めちゃうマルチなエンターテイナーの素質がある。K-POPからレゲエまで広く聴くタイプみたいなので、パンゾーさんやケイマン以来の音楽フリーク系トリコロール戦士の予感が漂う。ラジオでバレたが好きなタイプは「赤いリップの似合う子」らしい。