【We are】2019年 J1リーグ第33節vs川崎F(A)プレビュー【challenger】

はじめに

※今回は当ブログ史上最もエモに走りました。ねちっこさ120%でお届けします。

どうも、「等々力行きのチケット販売の日は12時に起きた」系マリサポのお市です。来季の目標は生活習慣改善です。

前節ついに首位に立った我らがトリコロール。優勝の確率わずか6%とすら言われた我々が、いよいよ頂点に最も近いポールポジションを奪った形です。
ただ、次に合間見える相手は川崎。近年煮え湯を飲まされた思い出しかない等々力で、ディフェンディングチャンピオンとのゲームに挑みます。そりゃチケットも秒で売れ切れますね。

では「あの時と変わった」マリノスは、いかにして川崎を上回りにいくか。トラウマを乗り越えるためには何が必要なのか、あっさりさくっと考えてみましょう。

川崎戦のマッチプレビュー、はっじまーるよー。

 

注目ポイント:各所で起こる「パス vs プレス」

予想スタメンはこちら。

IMG_7192

マリノスはエジ復帰の線も考えたが、コンディションの良し悪しがわからなかったのと、幅とるだけで相手の陣形を広げられるマテウスが必要かと思い、松本戦と同じスタメンを予想。

川崎もまたスタメンが読みづらい。RSBに誰が入るかだと思うが、プレス回避を考えるとマギーニョではなく守田かと。両サイドハーフは家長と阿部浩之のコンビでのスタートを予想。キレのある長谷川竜也は後半疲れてきた辺りに出ると厄介。前回対戦で我々にトラウマを植え付けたレアンドロ・ダミアンと知念はジョーカーとして起用する、、、かも。

やにわにSNSで議論のタネになっているのが、川崎の戦い方だ。
今シーズンの川崎はかなりトライアンドエラーを繰り返しており、「コレで戦おう!」という指針がなかなか定まらなかった。ダミアンと知念の2トップを採用したり、GKを替えたりと負傷者の多さとここ数年での補強によるスカッドの多様性により、色んなパターンを試していたように思う。思うように勝ち星が積めなかったのもそのせいではなかろうか。

ただ、1シーズンをかけた迷いを経て、彼らに戦い方の幅が出たのも事実。例えば鹿島戦のスタッツと浦和戦のスタッツはまるで異なる。前者は総パス数463本、ロングパスの本数は59本。反対に後者は総パス数624本、ロングパス44本と「ショートパス主体の繋ぐサッカー」という川崎らしい数値を残している。

浦和戦のようにボールを持ちながら勝ち切る時もあれば、鹿島戦のように押されながらも勝利につなげるゲームもある。「川崎=距離感近めのショートパス主体の攻撃サッカー」という観念だけでいってはならない。

では、今の川崎でマリノスに対して最も怖いのは何か、というと、4-4-2の陣形からかなり密集型のプレスだ。

IMG_7195.PNG

特徴としては、「とにかくボールに寄ってくる」ということ。図のように片方のサイドでボールを持った場合、2トップと2ボランチが締めて、逆サイドのサイドハーフがズカズカやってくる。熱愛報道の時にやってくるパパラッチのように瞬く間にボールホルダーを取り囲み、奪ったところからそのままお得意の「距離感近め・ショートパス主体」の攻撃に繋げてくる。このボール基準のプレス→ショートカウンターも、今の川崎の武器だ。マリノスもガツガツプレスにいくので、Jリーグでも屈指の奪い/奪われが頻発するゲームになるのでは、と個人的には思っている。

ここ最近、選手もサポーターも「自信」というワードを使って己を鼓舞してきた。今節ピッチ上で信じるべきはビルドアップに対するチーム全体の積み上げかもしれない。1つの横パスを隣の選手じゃなくその1個先の選手に渡すとか、寄ってきた相手をボールスキルでかわすとか、些細なことの積み重ねで相手に穴を作る。今までやってきたことの積み重ねがモノを言う。しかしその積み上げをぶつけるのが優勝のかかった今で、かつ相手がJ屈指のプレス強度のチームだというのは「日程くん」やってくれるな。。

ビルドアップとなると、パス本数を順調に積み上げていくチーちゃんしんちゃんのCBコンビが浮かぶ。

だが実際は両SB、キャプテンボランチコンビはもちろん、最後尾から攻撃の初手を刻むGK、相手の陣形を縦横に広げ得るCF、ウィンガーの力も必須だ。さらにボランチの目線を釣り続けるトップ下のマルコスも重要。つまりはチーム全員の「ボールをゴールまで運ぶための思考とスキル」が試されるということ。3週間のブレイクでみっちり準備しただろう王者のプレスを、2年間(もっと言えばモンちゃん政権も含めてウン年)積み上げ続けたボール運びでかいくぐってほしい。

 

注目マッチアップ:バットマン vs スパイダーマン

マーベルファンのみなさま、お待たせいたしました(違う)
ビルドアップvsプレスの戦いが起こるのはマリノスゴール前だけではない。川崎のゴール前も手に汗握る局地戦の戦場となる。というのも川崎も年季の入ったボール運びを見せるし、マリノスも強度の高いプレスを使いこなすようになったからだ。

中村憲剛がいない川崎でビルドアップの鍵を握るのは、一時期フェイスガードをつけて宮本恒靖に続く「バットマン系イケメン」を襲名した田中碧。今期第3節にレアンドロ・ダミアンの先制点をアシストするワンタッチパスを見せた若武者は、今となってはチームの大黒柱だ。

川崎のゲームを見ていると、田中碧がかなり頻繁に2CBの間に落ちる「サリーダ・ラボルピアーナ(必殺技っぽいサッカー用語No.1)」を実施してパスの経由地になっている。少ないタッチ数でボールを動かしながら、徐々に味方の陣形を押し上げてくる印象だ。下のスライドショーは、鹿島戦前半18分の田中碧のパスを点ごとの領域を表したボロノイ図で表したもの。(ボロノイ図は、@Gakumorita 氏謹製戦術ボードアプリTactical Boardで作りました。)

スライドショーには JavaScript が必要です。

こうして見ると、相手選手の担当エリアの間を突くようなパスを引き出す立ち位置にいて、そこから同じように隙間を縫うパスを出している。しかもこれがほとんど1タッチ、2タッチでやっているのだから敵ながらあっぱれだ。あの変態スルーパスお兄ちゃんがすっかりここまで育っちゃって。。 #田中碧は横浜が育てた

すっかり育ちきった「バットマン」に伸び伸びプレーさせじと第一線で戦うのが、我らが「スパイダーマン」エリキではないかと思う。(まだエジのコンディションはわからないため、おそらくCFはエリキのままと予想。)

たしかにリスキーではあるし、ボロノイ図を作ったら彼の背後に広々としたスペースができるに違いないと思った時だって何度だってある。けれどボールを回し合い、奪い合う切り替え(トランジション)のスピード勝負となった場合、相手のボール保持者に延々とプレスをかけられるエリキの存在は大きい。

エリキを孤立させないように前線は立ち位置を上げ、ボランチは限定され尽くしたパスコースで手ぐすねを引いて待つ。ここ最近のマリノスを支えたプレッシングはエリキが旗振り役だったと思う。エリキ主導のプレッシングの網がハマっていくか、それとも背後でボロノイ図の隙間を飛び回る田中碧が川崎のビルドアップを成立させるか。見所になるマッチアップだ。

 

おわりに

神奈川ダービー、2013年の思い出再び、因縁の一戦、そんなんいいから等々力増築早よ…このゲームを評する言葉はいくらでもあると思います。ただ、我々からすれば「ラスト2つ勝たなければいけない試合の1つ」でしかないですし、ボスっぽい言い回しをすればもっと単純で「いつも通り自分たちのサッカーをするだけ」のゲームです。
今まで跳ね返され続けた王者の壁に、ヘイトや過剰なリスペクトといった諸々の装飾品を捨てて、「自慢の普段着」で挑むゲームです。ここで「普段通り」を貫いて勝てたら、チームの自信は確固たるものになると思いますし、タイトルへの道は自ずと拓けると思います。

今のマリノスのサッカーという「普段着」に似合うのは、勝ちを誇るトリパラでしょう。シャーレを横浜の町に取り戻すためにも、等々力にトリパラを咲かせましょう。(まあ私は行けないんですけど)

img_6836

コメントを残す