どうも、「焼き肉の時に肉をご飯の上でワンバンさせるの大好き」系マリサポのお市です。
今回は普段と趣向を変えて、タイトルの通りイベントレポートです。戦術の「せ」の字も出てきません。鹿島戦のレビュー?それはまあ、追い追い(目線そらし)。
行ってきたのはこちら、マリノスが主催している「日産スタジアム 選手と体験ツアー」です。
賢明な読者の皆さんは「あれでしょ?よくありがちな選手と触れ合える系イベントで、子連れが楽しむやつでしょ?大人が1人で行っても浮くしあんま楽しくないでしょ?」とお思いでしょう。私も脊髄反応でチケット買った直後にそれは思いました。
でも「浮かなかった」とは言いにくいけど、案外楽しめるんです、これが。
そこで今回は「ノリで1人参戦でもここまで楽しめましたよ」「だから個人サポの人も勇猛果敢にクラブ主催イベント行ってみましょ」というメッセージを込めてイベントを振り返ってみたいと思います。
目次
毎週サッカー観戦ができるありがたさを実感できる
日産スタジアムの芝生を管理する職責は「グリーンキーパー」と呼ばれているらしい。
受付を済ませるとクラブスタッフさんと一緒に、後ろに「新横浜公園」と文字が入った作業用ジャケットを着たグリーンキーパーさんたち(5,6名くらい?)が出迎えてくれる。
イベントの幕開けは、その中の「ヘッド」と言われる柴田さんの軽妙な挨拶からだった。
「このイベントやる前日の試合ってだいたい戦績が良くないんですよ。だから(前日の鹿島戦)勝ってくれて本当によかった!」と茶目っ気たっぷりに話す柴田さん。
曰く、この芝生体験ツアーの醍醐味は、「選手と同じ目線でスタジアムの雰囲気が味わえること(意訳)」だという。
このイベントのためにあえて前日の試合の状態そのままにした、というピッチに足を踏み入れ、実際に選手とボールを蹴ったりできる。確かに日本中は愚か、世界を見渡してみてもなかなか稀有なイベントなんじゃないだろうか、、、などと思っていたら柴田さんが一言。
「昨日のマルコスのゴール、観ましたか?実際のピッチであの真似ができるんですよ!」
いや、あのゴールは真似できないっス。
などと心の中でツッコミを入れていたら、ここから柴田さんによる芝生トークが始まる。
ざっと挙げると以下3点はお話いただいた。
- 日産スタジアムは、冬に成長のピークを迎える冬用の芝と夏にピークを迎える夏用の芝を両方生やしている。
- 今はちょうど夏用の芝が育ち始め、冬用の芝が枯れる直前の「いい状態」。
- 昨日の鹿島戦の芝の長さは13mmくらい。いい長さ。(柴田さんドヤ顔)
- 所々芝が削れて土が見えるが、それは冬用の芝を意図的に削っているから。削らないと夏用の芝の成長を阻害してしまう。
普通にサッカー観戦しているだけだと絶対知らないままだったであろう、芝事情の数々。「芝が長いとパスが走りにくい」ぐらいの理解しかなかった私にとっては新鮮な話ばかりだった。
特に、「あえて芝生を削る」という手入れの方法があるとは知らなかった。今後芝生が削れて土が見えるピッチを前にしても、頭ごなしに「(芝が)ハゲとるやないかい」とフットボールアワー後藤的なツッコミを入れるのはやめようと思う。
聞けば聞くほどグリーンキーパーさんたちは、「その時々で作り得る最高の環境」を作ろうと最大限努力してくださっていることがわかった。ハゲとるやないかいなピッチも、もしかしたら苦肉の策なのかもしれない。我々が当たり前のように見ているサッカーの試合も、グリーンキーパーさんたちのような方々の努力や工夫あればこそなのだ、と毎週サッカー観戦できることを改めて噛みしめられた。
柴田さんの芝トークは止めどなかったが、奥の方で別のスタッフさんが腕を回して「話巻いて」サインを出していたため終了。柴田さんのこの「好きで好きでたまらないからついつい喋っちゃう」って感じ、サッカーヲタクの私は勝手ながら強い親近感を覚えた。
個人的には「今マリノスは短いパスを多く繋ぐサッカーを志向しているわけだが、プレースタイルは芝の手入れに影響するのか」とか他にも色々お伺いしたかったなあ、と思うが、芝に関する解説はこれにて終了。気になる人は日産スタジアムのスタッフブログ、芝生観察日記を見てね☆ってことなんだろう。たぶん。
選手の人となりに触れられる
柴田さんの挨拶を終えると、スタッフさんは記者会見場に我々参加者たちを案内してくれた。
試合後の監督会見とかが行われるブースである。入り口では今回の主役であるエジガル・ジュニオ(以下エジ)、マルコス・ジュニオール(以下クリリン)がハイタッチでお出迎えしてくれた。行きの電車で必死にポルトガル語の挨拶を覚えたはずだったのに、いざ両選手を目の前にすると固まって何も言えなかった。 #推しが尊くて2019
参加者が全員着席すると、クリリンとマルコスが会見席へ。参加者からの質問に彼らが答える一問一答が始まった。
自分が会見の席に座って「前半は相手のブロックに苦しめられたが、選手全員がハードワークをしてくれた。後半は自分たちのサッカーができたと思う。」的なポステコグルーごっこができたらなあ、と淡い期待を抱いていたのは秘密だ。
なお、一問一答の内容は以下にまとめたのでご参照を。
一問一答が終わると、サイン入り試合球をかけたじゃんけん大会が繰り広げられ、間近で座ってたサッカー少年が見事勝利してめっちゃ嬉しそうにしてた。きっと彼にとっては宝物になることだろう。
改めて後述するが、両選手ともに人柄の良さが現れていた。
クリリンはピッチ内で見せるエモい感じとは裏腹に、「気のいいあんちゃん」といった感じで、笑顔でプレゼントのボールを受け取りに行ったサッカー少年の頭をわしわしと撫でていた。
一方のエジガルは加入当初の特集記事にも「真面目」「実直」とあったように、穏やかな雰囲気。終始柔和な笑みをたたえながら対応していた。あと喋りながら身振り手振りして伝えようとしてくれてるのも好印象だった。
マリノスはファンサービスの時間を限定している(しかも割と平日の練習後とかが多い)のもあって、こうしてオフザピッチでサポーターと選手がふれあう機会はなかなかないと思う。DAZNやスタジアムで活躍する選手たちの優しい一面に触れられるのも、このイベントのいいところだと思う。
最高の環境で「ごっこ遊び」ができる
記者会見ブースを出ると、いよいよ本題。参加者たちは日産スタジアムのピッチに足を踏み入れる。私からすれば子どもの頃からの夢「日産スタジアムでボールを蹴る」が叶う瞬間なわけで、入る前から既にテンションが上がっていた。
DAZNでよく見る待機場所から出て、数段階段を上がってピッチに入る。
すると参加者たちが入ろうとした瞬間に、選手入場時のアンセムが!
なんという粋な計らい、なんという演出…子どもたちは愚か、私のような1人参戦の大人でも「選手になった気分」で高揚感に浸れる。
入った直後の20分くらいは自由時間。クラブ側が貸し出してくれているボールを蹴るもよし、クリリン、エジガルの両選手とツーショットを撮らせてもらうもよし、テクニカルエリアで「ジャッジに納得がいかず両手を広げるポステコグルー」ごっこをやるもよしだ。
当の私はいの一番にクリリンにツーショットをお願いした。ポーズはドラゴンボールのものでもなく、浦和戦の1点目に見せたゴールパフォーマンスの再現だ。
ヨーロッパとか南米とかでよくある、「素晴らしいアシストをしてくれた選手の靴を磨く」ゴールパフォーマンス。これをやってもらおうとした結果、こうなった。
きっと私は「クリリンに己の足を踏んでもらったマリサポ第一号」に違いない。頼んだ時こそめっちゃ苦笑いしながらも、最後はこの悪ノリにノッてくれたクリリンに心より感謝したい。
そのあとはボールを借りて、念願の「日産スタジアムでシュート」を叶えることに。よくある試合前のシュート練習の形式だが、アシスト役は開幕から素晴らしいポストワークを見せているエジだ。なんて豪勢なシュート練だろうか、、、と悦に浸ってたら思いっきりダフった。ボールはめちゃくちゃいいのがきたのに。
その他の参加者さんたちも、思い思いのことをしていた。ベンチに座ってみたりだとか、コーナーキックのところに立ってみたりだとか、子どもの中には仲川のゴールを真似しようとしてカットインしてる子もいたし、松原を真似てスローインしてる人もいた。
そう、この時間は「老若男女誰しもが、ものすごく豪勢なごっこ遊びに興じる」最高の時間だった。サッカーを観ていれば、「あの選手のあのプレー(ないし素振り)やってみたい」と思ったりするものだ。子どもはもちろん、大人だってそういうごっこ遊びに興じたい時がある。しかもその舞台が実際に選手たちが使ったピッチだというのだから、喜びもひとしおだ。
また、最初の柴田さんの話を思い出して芝を見つめるのも面白い。スパイクの跡やコーナーフラッグ付近のキッカーが掘ったであろうボールを置くための窪み、スライディングの跡などを見ると、昨日の激闘がふつふつと蘇る。
そんなこんなで自由時間も終わると、最後にクリリンとエジがリフティングを見せてくれた。
エジは負傷中のため軽いリフティングのみにとどめていたが、クリリンは「やべっちFC」の宿題かってくらい足技を見せつけていた。なお、その後クリリンがフリーキックを蹴ったが、結構カーブのかかったシュートを止めた神童がいたことは明記しておきたい。
クラブのイベントにサポが全力で乗っかる意味
ということで、1時間半のイベントはあっという間に終わってしまった。当初男1人で行くイベントなのだろうか?と思っていたが、間違いなく行って正解だった。クリリンとツーショットも撮れたし、日産スタジアムでボールを蹴るという夢も叶ったし(ダフったけど)、芝生についての見識も広げられたし、大満足の内容だった。
今思うと、私は「1人で行っても仕方ないかな」とクラブ主催のイベントを結構スルーしてきた気がする。だが、今後は臆せずどんどん参加していくべきなんだと考えを改めた。
イベントを企画するクラブ側は、サッカーの試合を、マリノスというチームを熟知している。そのクラブがイベントを通して、サッカーやチームへの理解を深める機会を提供してくれているのだ。それを「行きづらいなあ」といって無碍にするのは、なかなかにもったいない。
また、この手のイベントは需要がないと見られるや否や、打ち切りになってしまう。「ちょっと興味あるかも」と思ったイベントは、来年もやってもらえるかわからない。「良さそう」「面白そう」と思ったら、とりあえず参加してみるのが吉だと思う。
と、宣伝めいた口調になってきたところで、イベントレポを締めたいと思います。最後まで読んでくださってありがとうございました。