タイトルの通りです。ちょっと前にザギンの店舗にいったけど、ピスタチオのブリュレ冗談抜きで美味かった。
ちなみに食べる時には店員さんがバーナーで飴細工をあぶってくれます。
お分かりいただけるでしょうか。飴細工の下はバニラアイス、そしてその下は賽の目に切ったイチゴ。個人戦術に長けたメンバーが顔を揃えます。
見た目は視覚に訴えかけるフォトジェニックなもので、インスタグラマー対策は万全。さらにスプーンを入れたときのあぶった飴細工のパリッとした音による聴覚へのアタックも有効なオプションです。
そして真骨頂は口に入れた瞬間ほどけるような食感!まるでエデン・アザールの繊細なボールタッチのような滑らかさでした。
ピスタチオという圧倒的な個に依存することなく、皿の上に立つメンバー全員で攻略するというとてもオーガナイズされたソリッドなスイーツです。世界基準(©山本昌邦)です。
次節対戦する神戸は、そんなチームです。ピスタチオの役割を果たすポドルスキがいて・・・
みたいな導入が出来ればよかったんですが、
その「ピスタチオ」ことポルディ、前節イエローを食らったせいで、
マリノス戦は出場停止とのこと。。。
アンリシャルパンティエ行ったときからかれこれ半年くらい温めていたネタが(泣)!!!
元々のプランが予期せぬ展開で崩れる、これもサッカーです。切り替えて、強い気持ちで。
今節神戸戦について、思うことを書きなぐっていきます。
目次
対戦相手基本情報
- コーナーキック守備はゾーンディフェンス。
- 中央の凝集性が高く、ファーサイドが空くことも。
- リーグ戦で喫した11失点の内訳は、こぼれ球からの失点とセットプレーからの失点が3失点と最多。(Football Labより)
- クラブのレジェンドでもある三浦淳寛(三浦淳寛)SDが、「バルセロナのサッカーを目指す」と標榜している通り、ポゼッション志向が高い。
- 30mライン侵入回数はリーグ3位(Football Labより)
- クロスの本数はリーグ1位(Football Labより)
- 自陣からのビルドアップ時には、2CBの間にアンカーを務める藤田が降りて3バック状態でボールを回す。後ろの形状だけを見れば川崎と同じ。
- 後ろ3枚はロングキックに長けた選手が多く、機を見てサイドのスペースへ長いボールも供給する。
- チームトップの得点を記録している田中順也、増山朝陽や佐々木大樹といった若くスピードに長けたアタッカーを擁するサイドが攻撃の肝。
- ウィンガーの後ろから駆けあがってくるサイドバック、右の藤谷壮や左の橋本和も終盤も落ちないスプリントと高性能クロスを持ち合わせており、攻撃参加で厚みをもたらせる。
注目ポイント
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攻めと守備の切り替えを早くするための位置取りができる
注目ポイント:攻めと守備への切り替えを早くするための位置取りができるか
左偏重の攻めは手詰まりの証か
まず神戸がどうこうという話の前から、現在15位と下位に沈む我々マリノスが抱えている課題を考えます。
前節広島戦で1-3と逆転負けを喫した原因として、攻めが「シュート」という形で完結することなく、ゴールに至る前にボールを相手に奪われたことが挙げられます。
なぜシュートに至ることができなかったかと考えると、相手の後ろ4枚、中盤4枚のブロックを崩し切れず、ポジションを崩して攻めていたのがその理由だと考えています。
その崩し方は、一言で言うならば「左サイド偏重」。昨シーズンの連勝を支えた左サイドのユニットの速いパス回しから山ちゃんの局面打開能力を活かすために、人を左へ寄せた形です。
他方、エリク・モンバエルツ前監督(エリク)は「日本人はポジションを維持する(メインテイン・ポジション)の意識が低かった」「『キミはここにいていいんだ。』と選手たちに語りかけた」と述懐しています。なぜメインテイン・ポジションが重要か、その理由は様々あると思いますが、私は「攻撃と守備の移行をスムーズにするため」というのが主な理由だと思っています。
左偏重になった理由は、選手たちの中で特に誰も語っていないので定かではないですが、昨シーズン上手くいった形であるという意識は少なからず働いたのではないかと思います。いわば即興的に陣形を崩してでも慣れた形で攻めに行こうとした格好です。
上手くいかなくても、相手の守備ブロックの前に手詰まりを感じても、即興に頼るのではなく、ポジションを維持していく。攻撃から守備、またはその反対の移行をスムーズにして、相手陣内で攻め続ける。その形こそアンジェ・ポステコグルー監督(ボス)が理想とする「アタッキング・フットボール」ではないかと私は考えます。
メインテイン・ポジションの鍵はセンターライン
ここで、そもそものマリノスのフォーメーションをもう一度考え直します。青丸がマリノス、赤丸は4-4-2のフォーメーションを敷くと言われている神戸の仮想陣形です。
(GKの位置は参考です)
これは我々の攻撃の際の基本的な布陣ですが、これを崩して左偏重になるとどうなるかというと、こんな感じです。
一見すると凝集性が高く、黄色い円の場所でボールを奪われたとしても、もう一度取り返すのは容易に見えます。しかし、広島はトップにパトリック、ティーラシンというスピードに長けた、またはボールを収められるアタッカーを前に置いていました。そのため、奪った後も黄色い円の中を早く避けるように、長いボールで逆サイドに叩く、または裏を狙うという手法をとっていました。
上の図のとおり、逆サイドは数的不利ですし、センターラインも人出をかけられません。そのため自分たちから見て右側に位置するサイドアタッカー(広島だと柏好文)に手を焼いたのだと思います。だからこそ、どちらかに寄るのではなく、ピッチにまんべんなく人を配置した基本ポジションを維持することを意識すべきですし、ポジションを崩したのだとしたら、シュートで完結させる必要があるわけです。
では神戸戦はどうなるのか
広島戦の反省はここまでにして、神戸の話をしましょう。。。
先述の基礎情報のとおり、神戸の攻撃はサイドを核としています。ポドルスキばかりに目がいきがちですが、サイドを疾駆する若いアタッカーが崩しの起点になっています。つまり、左偏重でロストした後に逆に叩かれた場合、ピンチに陥りやすいのは広島戦と同じだということです。
さらに神戸はボール支配を行うため、こちら側のボールロスト基点だけでなく、相手側のビルドアップの時にもサイドをテコに攻めてくるでしょう。最たる例がこの浦和戦の佐々木大樹のゴール。
実はこのシーンの前に、サイドアタッカーである佐々木大樹はサイドバックのような位置まで下がっています。後方まで下がることでマーカーを外し、そこから素早い連携と佐々木の個人技でゴール前まで運んでいるわけです。我々も「偽サイドバック」やら「ゆんゆんのセンターライン侵入」やらでポジションチェンジを使って相手のマーカーを困惑させていますが、相手もそれができるし、やりたがっているということは認識しておくべきでしょう。
では、どのように対応するか。
実はその解答もメインテイン・ポジション、陣形の維持になってしまうのですが、この場合はちょっと毛色が違います。ポジションを維持する理由は、「相手選手」をマークするためではなく、「相手選手が突こうとするスペース」を潰しに行くためです。どんなに上手くマーカーを外せても、ボールを回すためのパスコースや、ドリブルやフリーランで突こうとするスペースがなければ意味がありません。その状態を作るためです。ポジションを維持したまま、スペースを潰してボールをカット出来たら、そのままの形で攻めに転じることができます。次は「守り→攻め」の移行をスムーズにできるわけです。
おわりに
色々がーっと書きましたが、メインテイン・ポジションは昨シーズンのエリク政権下から叫ばれ続けていたポイントであり、マリノスが取り組み続けた部分であり、今のサッカーの拠り所となる基盤の部分でもあります。上手くいかない今だからこそ、基盤をもう一度徹底させること。あえて片方のサイドに偏重させたりする選手個々のひらめきによる即興の部分は、メインテイン・ポジションの基本が出来てから実施したいところです。
この辺をあまじゅん辺りはよく理解しているようで、「まずはボスのオーダーをこなせるようになってから」という旨の発言もしています(どの試合後コメントだったかは失念しました・・・すみません!)。ただ、その彼が広島戦の左偏重の一翼を担ってしまった感は否めません。昨シーズン日々進歩する姿を見せ、エリクには名指しでその成長ぶりを褒められたあまじゅん。今やすっかりマリノスの主軸となったからこそ、チームの方向修正などリーダーシップの面での成長もぜひ見せてほしいと思います。
勝てない時期だからこそ、分析されて上手くいかない時だからこそ、もう一度基本に立ち返って戦いたい試合。鬼の15連戦はまだ始まったばかりですが、逆に考えればまだまだ立て直す時間があるということ。自分たちに湧き上がる今のサッカーへの疑問を払しょくするような勝ち星を期待します。